「高い美意識と審美眼を持ち、本物を知った30代男性」に向けたライフスタイルのクオリティアップを提案する、インターネットメディアです。アート、デザイン、インテリアといった知的男性の好奇心、美意識に訴えるテーマを中心に情報発信しています。2002年11月スタート。
※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。
今年も話題作がさまざまな形でフィーチャーされ、幅広い活躍を展開したデザイナーの1人となった吉岡徳仁氏。空間デザインの最新作となる「132 5. ISSEY MIYAKE」第1号店が東京・青山のみゆき通り沿いにオープンした。
「132 5. ISSEY MIYAKE」は、デザイナー三宅一生氏が「再生・再創」をコンセプトに「1枚の布」をさらに進化させた新しい服のシリーズ。店名の「1」は「1枚の布」、「3」は「3次元の立体造形」、「2」は「立体造形を折りたたんで再び平面にすること」、半角の余白後に続く「5」は「5次元」をそれぞれ表し、「時間を加えた4次元を飛び越えて、5次元(未来・宇宙)に向けて衣服としての生命力が広く放たれること」を意味している。
吉岡氏がそのコンセプトに基づいて提案したのは、表層的なインテリアデザインではなく、「売り方そのも」をデザインした空間。つまり、「表現のための表現」ではなく、商品の背景や開発の目的を空間を通じて伝えることだったという。
「現代は表層的なデザインが多く溢れていることを感じます。だからといって、単にシンプルな表現にすればいいわけではない。大切なのは、装飾がすべて取り除かれ、そこにある物や空間が裸の状態になったときに、伝えるべきことがいかに立ち表れるのかということです」(吉岡氏)
ショップ内にはハンガーがなく、天井から吊るされた5体の透明のトルソーによってのみ服が紹介され、トルソーの前にディスプレイされたiPadで目にした豊富な服のバリエーションから気に入ったものが棚から取り出される仕組みになっている。iPadで“平面から立体になるプロセスが展示されている”というその仕組みは一見するとモダンで近未来的だが、根本はとても古典的な(反物の1枚の布から立体の着物を想像し、裏から商品を出す)日本の着物屋のような感覚だ。
店内は「特色ある服を理解して身につけてもらう空間」であるという趣旨を明解にするため、床や壁はあえて飾り立てられていない。店舗は、以前吉岡氏がデザインを手がけた「me ISSEY MIYAKE」があった場所。5次元に向けた新たな衣服の提案の場として再生された新空間に注目したい。
東京都港区南青山5-3-10 フロムファースト1F(2010年11月26日オープン)
空間面積:56平方メートル(17坪)
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