矢野経済研究所は12月17日、「呉服市場に関する調査結果」を発表、2009年の呉服小売市場規模は前年比15.9%減の3420億円と大幅に縮小したことが分かった。1981年のピーク時には1兆8000億円あった同市場だが、2006年に呉服催事販売大手のたけうちグループが倒産したことや、過量販売※が社会問題化したことを契機に市場縮小が進んでいる。
販売チャネル別に見ると、「既存の呉服専門店、呉服チェーン店は着物入門者にとっては『よく分からないままに売りつけられそう』というイメージがある」(矢野経済研究所)ため、「一般呉服店」「チェーン専門店」はここ数年縮小が続いている。伸びているのは「直販・インターネット販売」のみで、着物入門者の足がかりとして注目を集めていた「リサイクル」も、2009年はマイナス成長に転じた。
矢野経済研究所では「多くの女性は成人式で振袖を着用し、メーカー側も振袖販売を若年層に向けてのセールスプロモーションの機会をとらえているが、これは着物を着る機会としてではなく、成人式のユニフォームという感覚で着られている面もある。そのため、その後の着物への興味を引き出す効果的な戦略が打ち出せていない」とコメントしている。
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