相変わらず方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年12月16日 16時07分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国市場は軟調となりましたが、特に米国市場動向に反応するということもなく、「いつもの通り」方向感のない狭い範囲での動きとなりました。米国の経済指標もそうなのですが、強弱感が対立すると言うか強弱どちらともとれるような指標も多く、米国株式市場も日本の株式市場も反応し切れないと言うことのようです。為替も円高に進むことはなさそうですが、一気に円安となると言うことでもなく、材料視されず、目先の持高調整の売り買いが材料を探して右往左往している感じです。

 とは言っても、小型銘柄に値動きの良い銘柄が見られるようになりました。昨日も株式セミナーがあったのですが、この夏頃から言い続けているのが、「新興国の生活水準」と「スマートフォン(高機能携帯電話)」に絡む銘柄の話です。特に本日大きく上昇している銘柄の中には「スマートフォン」の「コンテンツ(中身)」を取り扱っている会社が多く見られます。米タイム誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのもSNS(交流サイト)最大手の最高経営責任者であり、「ツイッター」に米有力企業を発掘した投資会社が投資をするなど「コンテンツ関連」がインターネットの「次」の話題となっています。

 すでに米国では販売していたのですが、ソニー(6758)が新しい電子書籍端末を発売したり、シャープ(6753)が高機能携帯端末を発売したりと何かと「次」の世代のインターネットやデジタルコンテンツが話題になりつつあります。今や「インターネット」などは「当たり前」のものとなりましたが、インターネットの出だしの頃は何が「インターネット関連」なのかどのように収益を上げて将来性があるのかなどもわからずに「ITバブル」となりましたが、うまく行けば(?)同じような展開となって来るかもしれません。

 シャープがパソコンから撤退し、高機能携帯端末に参入したように、これまでの「IT(情報技術)」や「インターネット」と言うことが変わりつつあるのだと思います。今後も「地デジ」や「光の道」などがキーワードとなる可能性もあり、ハードの部分だけではなくますますソフトの部分が注目されることになるものと思います。まだまだ玉石混交だと思われますが、ここでしっかりと目を養って「次」の展開を探って見るのも良いと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.