好調なクリスマス商戦や小売り売上高を受けて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年12月15日 08時49分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11476.54▼47.98

<NASDAQ>2627.72△2.81

<NY為替>83.67△0.28

好調なクリスマス商戦や小売り売上高を受けて堅調

 クリスマス商戦が引き続き好調と伝えられていることに加え、朝方発表された小売り売上高が予想を上回って堅調、卸売物価指数(PPI)も予想を上回ったことから買い先行となりました。FOMC(公開市場委員会)の発表を控えて上値が重くなり、FRB(連邦準備理事会)のコメントが伝わると乱高下する場面も見られ、最後は利益確定売りに押される場面もありましたが、景気回復は十分ではないものの順調に回復していると改めて認識したこともあり、堅調となりました。

 先駆していた感の強いナスダック指数は軟調となる場面も見られるなど米国市場も日本市場同様に目先的な過熱感もあるようです。ただ、これまでのドル安や金融緩和効果で企業業績が回復し、企業業績が回復すと雇用や個人消費も回復するという流れは続いており、ここからはさらに個人消費や雇用の改善が順調に進むかどうかが注目されることになるのでしょう。富裕層の消費が好調と伝えられており、株高効果、金融緩和効果が消費に波及、今後はさらに低所得者層などの消費が伸びて来るのかどうか、つまり雇用の改善が見られ消費が順調に伸びてくるのかどうかが注目されることになるのでしょう。

 個別には2010年9−11月期決算が芳しくなく、2011年2月期通期業績予想を引き下げたベストバイが急落、来年の好調な業績見通しを発表したGE(ゼネラル・エレクトリック)は堅調となりました。小売り売上高が予想を上回ったのですが、JCペニーは軟調、メーシーズは堅調と百貨店株はまちまち、ホーム・デポやウォルマートは堅調となりました。フェデックスやHP(ヒューレット・パッカード)など好調な業績を背景に買われていた銘柄も利益確定売りに押され、利益確定売りに押されていたインテルやIBMは堅調となりました。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなども利益確定売りに押されて軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は方向感のない展開で小動きとなりました。それでも、米国株の上値が重かったことや為替が円高に振れたこと、また、目先的な過熱感が強かった割には堅調となりました。外国人も引き続き買い越し基調となっており、利上げがなかったことを好感するように中国関連銘柄が買われ、内需関連の出遅れ銘柄を物色する動きも見られました。好材料に素直に反応する動きも見られ、売買高も膨らんでおり、基調は強含みとなっています。

 米国株が堅調となったことで日本市場も堅調な展開が期待されます。朝方発表される日銀短観(短期経済観測)も慎重な見方は依然として強いものの景況感の回復は見られるものと思います。日銀短観の「大企業製造業DI」がよほど悪いことがなければ、為替の落ち着き、特にユーロで円安が進んだことなどが好感されて堅調となるものと思います。ただ、目先的な過熱感は根強く、「先駆した」と言うことで軟調となっていたハイテク銘柄などの反発が期待される一方で「出遅れ銘柄」として買われていた銘柄などは上げ一服となって来るかもしれません。

 日経平均の10200円〜300円水準を抜けかかってきました。目先的には過熱感も強いので、一気に次の節目と見られる10500円〜600円水準を目指すというよりは10200円〜300円水準での底堅さを確認するような展開となって来るのではないかと思います。下値不安もかなり薄れており、米国景気が失速し、再びドル安となるようなことがなければ、10200円〜300円水準を大きく割り込むこともなく、10000円割れの不安も薄れつつあるものと思います。

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