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» 2010年12月15日 08時00分 UPDATE

マクドナルドがデリバリー市場を破壊する? (1/2)

日本マクドナルドが12月末から東京・世田谷の店舗で試験的にデリバリーサービスを開始、来夏をめどに順次全国展開をするという。ファストフードの雄が1兆3000億円の外食配達市場に殴り込みをかけてきた。

[金森努,GLOBIS.JP]
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※本記事は、GLOBIS.JPにおいて、2010年12月10日に掲載されたものです。金森氏の最新の記事はGLOBIS.JPで読むことができます。


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 日本マクドナルドが12月末から東京・世田谷の店舗で試験的にデリバリーサービスを開始、来夏をめどに順次全国展開をするという。ファストフードの雄が1兆3000億円の外食配達市場に殴り込みをかけてくるということになる。

 デリバリーサービスは原則24時間体制。ハンバーガーやポテト、ドリンクなどの注文をコールセンターで受け付け、バイクで店舗から10分以内程度の地域に配達する。配達の経費、主に人件費が従来よりかかるため、そのコストは別途宅配料を顧客から徴収するか、メニューを値上げすることを検討しているという。

 マクドナルドの店舗数は、現在効率化を図るため削減中ではあるが、2010年2月時点で3686もある。最終形としてその数のデリバリーサービスが動き出すのだ。ハンパではないインパクトだ。

 宅配ピザ市場のリーダー企業は、売り上げ・店舗数とも第1位はピザーラだが、約570店とハンバーガー業界第3位のロッテリアと同等(ハンバーガー業界第2位のモスバーガーは約1360店)の店舗数しかない。また、店舗数が1000を超えている宅配対応の外食チェーンとしては、カレーのCoCo壱番屋があるが、同社は全店対応しているわけではない。

 普段の記事では4Pというフレームワークを紹介しているが、今回のケースでは、米国のラウターボーンという広告学者が提唱した4Cを使うと理解しやすい。4Cは、4Pを顧客目線で見直したもので、 Productは「Customer's wants」、Priceは「Total cost of customers」、Placeは「Convenience」、Promotionは「Communication」と読み換える。

 デリバリーがその価値を高めるのは、主にコストとコンビニエンスだ。このコスト概念では、単に商品の価格だけでなく、時間コストも含む。デリバリーは家にいながら待っていられるので、顧客の時間コストを大きく削減することに寄与する。

 コンビニエンスという面では、コールセンターを設置して、誰でも覚えやすい「0570-0143(おいしさ)-55(ゴーゴー)」という全国統一の配達用電話番号を設定するというから、ネットで店舗検索、配達地域を確認するまでもなく、どこでも、手軽に注文できてしまう。そして、外食デリバリーチェーンでは国内初となる24時間体制。いつでも家にいながら注文できるのだ。

 今回のマクドナルドの施策、さまざまな観点から面白いのだが、今後を占うという意味で、価格を中心に考えてみたい。

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