FOMCを控えて手仕舞い売りも嵩む清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年12月14日 08時40分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11428.56△18.24

<NASDAQ>2624.91▼12.63

<NY為替>83.39▼0.54

景気回復期待は根強いがFOMCを控えて手仕舞い売りも嵩む

 中国の利上げが見送られたことやクリスマス商戦が好調とされることなどから、景気回復期待も強まり買い先行となりました。欧州金融不安が薄れてドル安となったことで、ドル安効果も期待され、中国の経済拡大が続くとの見方から商品相場が堅調となったことで、信用収縮懸念も薄れ堅調な地合いとなりました。M&A(企業の合併・買収)に絡む話題も多く、資金の回転が効いているという感じです。FOMC(公開市場委員会)を控えて最後は手仕舞い売りに押されてナスダック指数は軟調となりましたが、地合いは強いと見ても良いと思われます。

 富裕層の減税継続問題も手仕舞い売りを急がせる面もあり、中国など新興国のインフレと景気拡大のバランスの問題などまだまだ問題も多そうですが、クリスマス商戦が好調と伝えられるように、足元の景気回復期待は根強く、米国でもインフレ懸念などが取り沙汰されるまでは株式市場や商品市場も堅調な地合いが続きそうです。「金余り相場=金融相場」が「業績相場」にしっかりと移行できるのかどうかが課題となって来るのでしょう。

 個別には13日に取り扱う貨物量が1日の数として設立以来最高となると発表したフェデックスは堅調、投資判断の引き上げなどからナイキやアップルが堅調となりました。欧州金融不安は薄れたのですが、利益確定売りもあってバンク・オブ・アメリカが軟調となるなるなど金融株はまちまち、商品相場が堅調なことから、アルコアなどの素材株、エクソン・モービルなどの石油株、パブリック・ゴールドなどの金鉱株も軒並み堅調となりました。クリスマス商戦は好調と伝えられたのですが、JCペニーが大幅安、メーシーズも軟調と百貨店株は軟調となりました。デルはストレージ(外イブ記憶装置)会社を買収すると発表して財務負担や競争激化を嫌気して売られ大幅安、連れてHP(ヒューレット・パッカード)やインテルなども軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は目先的な過熱感は依然として強く、中国の利上げ懸念もあったのですが、出遅れ銘柄を物色する動きが中心となって、堅調となりました。為替が円安気味となったこともあって日本株の出遅れ修正と見られる買いもあったものと思われます。値上がり銘柄数は1300銘柄を超えたのですが、応答日も1400銘柄以上の上昇となっていたことから騰落レシオは若干下落となりました。

 米国株が冴えない動き、特にナスダック指数が軟調となったことや為替が円高に振れたことから日本市場も軟調な展開となりそうです。目先的な加熱感も強いことから、日銀短観や米FOMC(公開市場委員会)などを控えて手仕舞い売りも出易いものと思われます。ただ、出遅れ銘柄を物色する動きとなっており、売り急ぐ動きも限定されそうで、軟調ながらも底堅い展開となるのではないかと思われます。為替の影響の少ないディフェンシブ銘柄などを個別に物色することになるものと思われます。

 日経平均は引き続き10200円〜300円水準の節目での上値の重さ、底堅さどちらに軍配が上がるのかを試すような動きとなっています。目先的な過熱感が強いことから、10200円〜300円水準を抜けてもいったんは10200円〜300円水準での底堅さを確認することになるのでしょうし、出遅れ銘柄を物色する動きで指数を下支えるような展開となっており、10200円〜300円水準でのもみ合いはもう少し続きそうです。

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