好調な経済指標や企業ニュースを好感して堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年12月13日 08時53分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11410.32△40.26

<NASDAQ>2637.54△20.87

<NY為替>83.93△0.19

好調な経済指標や企業ニュースを好感して堅調な展開

 朝方発表された消費者態度指数が予想を上回ったことや輸出が好調で貿易収支が改善したことなどが好感されて買い先行となりました。ドル安効果や金融緩和効果の影響が順調に示されていることで景気回復期待も高まり、週末の手中国経済の失速を誘うものでもないとの見方から影響は見られず、景気回復をを織り込むように堅調な地合いとなっています。

 欧州金融不安や中国の金融引き締めも現状の米国景気回復への影響は少なく、米国内だけを見ると富裕層への減税継続が問題となってはいるのですが、減税継続が景気回復の後押しとなるとの見方も強く、政局の混乱を過大評価する向きもないようです。好調な企業業績を受けて増配を発表するものも見られるなど好調な企業業績の回復が個人消費の回復に結びついてくるものとの期待もあって堅調な展開となっています。

 個別には今年2回目の増配を発表したGE(ゼネラル・エレクトリック)が大幅高、同様にハネウエル・インターナショナルも増配を発表して買われ、投資判断の引き上げのあったプロクター・アンド・ギャンブルも堅調となりました。景気の回復期待も根強く、欧州金融不安も薄れたということもありJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株は軒並み堅調、ナショナル・セミコンダクターは前日引け後に発表した売り上げ見通しが予想を下回り大きく売られましたがインテルやIBMなどハイテク銘柄は軒並み堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場はSQ(特別清算指)算出に絡む買いが入り買い先行となりましたが、寄り付きの買いが一巡となった後は、目先的な過熱感も強く、週末の手仕舞い売りもあって軟調となりました。出遅れ銘柄を物色する動きもあり、為替も大きく変化がなかったことから、底堅さも見られたのですが、ハイテク銘柄など先駆した銘柄が利益確定売りや見切売りに押されて軟調となりました。売り急ぐ動きもなくあくまでも持ち高調整の売り買いが中心という相場展開でした。

 週末に中国の利上げが伝えられましたが米国市場では特に材料視されなかったこともあり、日本市場も大きく取りざたすることもないかと思われます。米国株が堅調となったことや円安傾向が続いていると見られることから、底堅い堅調な展開が期待されます。ただ、目先的な過熱感は依然として強く、先駆したハイテク銘柄や商社株などは上値の重い展開となり、出遅れ感の強い内需株や優良銘柄の一角が物色されるのではないかと思います。

 日経平均は引き続き10200円〜300円水準の節目での上値の重さを試す動きとなりそうです。新興国の過熱が懸念されるほどの景気拡大や米国の景気回復の影響で日本でも景気回復期待は高まっており、目先的な過熱感もあって上値は10200円〜300円水準で押さえられてしまうのでしょうが、下値も10000円を割り込むような雰囲気ではなくなって来ているのだと思われ、徐々に10200円〜300円水準での下値固めのような展開になって来るのでしょう。

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