東京スカイツリー開業で変わる押上・墨田周辺エリアマンショントレンドレポート(3/3 ページ)

» 2010年12月13日 08時00分 公開
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地元の方が見る、変わりつつある町

MAJOR7 枕橋のたもとにある「枕橋茶や」(2010年9月撮影)

 2008年6月、ちょうど東京スカイツリーの着工式が決定した日にオープンした「枕橋茶や」。旧小梅庭園前、枕橋たもとから東京スカイツリーを見守り続けるオーナー、小林さんにお話しを聞きました。

 「東京タワーの333メートルを抜いたあたりから、お客さんが増えましたね。浅草に観光に来た方が、いま話題だから東京スカイツリーにも行ってみよう、という感じですね」「関東圏だけではなく北海道や四国から来た、という方もいらっしゃいます。あと、海外の方も増えましたね」

 「元々、魅力的な町なんですよ。人情味があって、子供からお年寄りまで元気で仲が良い。下町は時間の流れが違う、っていう人もいますね。そんな町のシンボルとして東京スカイツリーが建つというので、多くの注目を集めている。この機会に町の魅力もアピールしていきたいなと思っています」

MAJOR7 「枕橋茶や」のオーナー 小林素子さん

 「墨田区では、歩いて楽しさを見つけることができるんじゃないかなって思うんですよね。いまは減っているけれど、昔は町工場が多かったんです。その名残は町の至るところに残っていて、ぶらぶら歩いていたら突然、調理道具の卸問屋さんがあったり。下町の魅力に惹かれて引っ越してきた新進気鋭のクリエイターさんが開いたカフェがあって、そのカフェが古民家を利用した作りになっていたり。いまあるものを再利用して新しいものを作っていく。これって、とても良いことだと思いますね」

 「東京スカイツリーや浅草を訪れたら、ぜひ、下町の町歩きも楽しんでほしいですね。訪れた方なりの楽しみ方ができる地域ですから。東京スカイツリーを基点にした下町エリア、これから面白くなっていくと思います」

 毎日、多くの観光客と接している小林さんの言葉は、東京スカイツリーを基点として、確かに地域全体が盛り上がってきていることを感じました。この地域は、昔から脈々と育んできた文化・歴史があるからこそ、新しいものを受け入れる懐の深さがあり、多くの人たちがその魅力に気が付き、集ってきているのだと感じます。

枕橋茶や

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名物の牛すじまんをはじめ、美味しい料理と飲み物をいただける茶屋さんです。

住所:東京都墨田区向島1-2-1

電話番号:03-3623-7636

営業時間:10:00〜17:00

定休日:月曜日・火曜日


東京スカイツリーのある未来は?

MAJOR7 多くの観光客が訪れる東京スカイツリー(2010年9月撮影)

 50年に一度の建築物といわれる東京スカイツリー建設現場周辺では、その成長記録をカメラにおさめようと観光客や地元の方が集まり、2012年春の開業を前に大きな盛り上がりを見せています。

 そして、この東京スカイツリーの建設を中核に、さまざまな商業施設や周辺環境の整備も進み、押上・墨田周辺エリアでは、長い間培ってきた文化を大切にしながら、大きな変革期を迎えています。

 それでは、東京スカイツリーの開業後にはどのような生活が待っているのでしょうか。開業後の未来をのぞいてみます。

多様な機能を持つ商業施設が誕生

MAJOR7 約3.7ヘクタールの規模で進む2棟構成の商業施設(イメージ画像)

 下町の新しい顔として生まれる東京スカイツリーは、その足元で「新しい下町」の未来を担う商業施設を建設中です。

 約3.7ヘクタールの広さで作り上げられる新しい街は、「新・下町流」を目指して、流行を詰め込んだだけの商業施設ではなく、ものづくりの伝統や文化が息づく墨田区の歴史を受け継いだ形で開発が進んでいます。

 7階建てと31階建ての2棟構成からなる商業施設の中でも注目したいのが「新・下町商店街」や、温かいコミュニティが生まれる「クリエイティブマーケット」のある1階フロア。

 また、2階は女性に向けた流行発信地となるべくファッションやライフスタイルなど、ターミナルショッピングセンターの機能が詰まったフロアになる予定です。3階には、バラエティ豊かな食を堪能できるフードコートが誕生。4階には日本を代表するモノや食が集合した「ジャパンスーベニア」、6、7階には定番料理から地方発の名物料理までが集結したレストランゾーン、最上階の31階には無料の展望スペースが誕生する予定です。

東京スカイツリーのある未来〜Scene1〜

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 東京スカイツリーに隣接する商業施設のオープンに伴い、地元に暮らす人々の生活も毎日のお買い物や生活においてより暮らしやすく変貌(へんぼう)していくでしょう。また、観光で訪れる人が増えることでさらに活気があふれ、やがては下町エリアの中心地になっていくと思われます。

 例えば、多彩な料理を楽しめるフードコートで食事をしたり、仕事帰りに立ち寄ってお買い物、隅田川花火大会の日には最上階の無料展望台で花火を鑑賞するなど、ライフスタイルに合わせて楽しめそうです。


培ってきた優れた文化を国内外へ発進する地域

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 優れた伝統文化を持つ下町を代表する1人として、浮世絵師「葛飾北斎」が挙げられるでしょう。かつて南割下水通りと呼ばれた両国エリアと錦糸町エリアの拠点を結ぶ通りが、いまでは「北斎通り」と名称を変えて住民に親しまれています。これは葛飾北斎が、墨田区亀沢で生まれたという記録があることから平成11年に改名されたものです。

 この北斎通り周辺には、北斎作品を中心とした美術館「墨田区北斎館(仮称)」が東京スカイツリーと同時期に建設される予定です。

 また、このエリアが長い時間をかけて作り上げてきた文化保護の視点で注目したいのが「すみだ地域ブランド戦略」という行政の手がけるプロジェクト。

 このプロジェクトは、ほかでは真似のできない墨田区の技術力や職人技が与している商品をすみだブランドとして国内外にアピールしていくというもので、将来的に地域ブランドの価値を高めることを目的にしています。

東京スカイツリーのある未来〜Scene2〜

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 250年もの昔に素晴らしい芸術を作り上げた北斎と、現代技術の粋を集めた東京スカイツリー。いずれも下町エリアの貴重な財産といえます。

 現在、これらを活かした町おこしが至るところで進んでいます。国内だけでなく海外もターゲットにした墨田・押上エリアのPR戦略は、やがて多くの人々が観光に訪れる日本の代表的な観光地へと実を結ぶでしょう。

 例えば、最近見直され始めている下町職人の作る日用雑貨が大きな注目を集めたり、伝統文化に触れながら育った子供が、将来的に世界に通用する芸術家として羽ばたく日がくるかもしれません。


北十間川の整備に伴って利便性の高まる地域

MAJOR7 整備計画が持ち上がる北十間川沿い(2010年9月撮影)

 東京スカイツリーのふもとにある北十間川沿いでは、整備するエリアをゾーン分けしてさまざまな顔を持つ水辺の特性を活かしながら開発が進められています。

 東京スカイツリー建設地の足元に位置する「新タワー水辺拠点ゾーン」では、船着場が新設される予定。都心からの交通手段が増えることや船便という非日常感も伴い、新たな観光地としての押上・墨田エリアの地位を確立するのに一役買いそうです。

 また、多くの観光客が訪れることを想定し、河川沿いの歩行者デッキやテラスが整備されることに加え、東京スカイツリーと浅草通りを結ぶ人道橋も架けられる予定です。

 「下町賑わいゾーン」と銘打った源森橋・枕橋付近では、鉄道高架下を活用した店舗やギャラリーが新設されるほか、水辺と公園に一体感を持たせる道路空間を作り、地域コミュニティの活性化が図られていく予定です。

東京スカイツリーのある未来〜Scene3〜

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 東京スカイツリーを中心として始まっている下町エリアの整備計画は、日常生活の基本である利便性に大きな影響を及ぼしています。観光客の増加を見込んで実施されるさまざまな施策は、地元住民にも大きな恩恵を与えるでしょう。

 例えば、平日は東京スカイツリーに隣接する商業施設から直通でつながる押上駅を使って出勤し、休日は北十間川の船着場から出る船でのんびりとお台場までショッピング。ジムの代わりに休憩施設の整備された川沿いでのジョギングが習慣になるかもしれません。


画像提供:東武鉄道株式会社・東武タワースカイツリー株式会社・オリックス不動産株式会社

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MAJOR7(メジャーセブン)は、マンションデベロッパー大手8社(住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、藤和不動産、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所)が運営する新築マンションポータルサイトです。新築マンション販売情報とマンション選びに役立つさまざまな関連情報を提供しています。2000年4月開設。

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※この記事は、MAJOR7で2010年10月29日に公開されたものを転載しています。


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