週末の手仕舞い売りに押されて軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年12月10日 16時33分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場は方向感はなく為替は円高気味となったのですが、先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出に絡む買いが入り寄り付きは買い先行となりました。ただ、目先的な過熱感は依然として強いことや週末ということで手仕舞い売りも嵩み軟調となりました。外国人も引き続き買いこしと伝えられたことやSQでも思ったほど売られなかったこともあり、底堅さは見られたのですが、物色される銘柄も限られて指数は上値の重い、戻りの鈍い展開となりました。

 本日、ソニー(6758)の電子書籍端末やシャープ(6753)の高機能携帯端末が発売になり、「電子書籍」に絡むものにも動きは見られました。米国では半導体株が好調な決算を示し、欧州でも半導体製造装置企業の好調な決算も伝わっています。今年に入って新聞でも「電子版」なるものが発刊されるなど、これまで紙で見られたものが電子媒体に変わっています。テレビのチャンネルを「回す」とか電話のダイヤルを「回す」という言葉が「死語」になっているように、いずれは電子ペーパーと文字通りのペラペラしたようなもので、本でも雑誌でも新聞でも読めるようになって来るのかもしれません。

 こうした技術の革新が行われるところではこれまでの会社の形態が変わる可能性もあり、そうした変化をしっかりとつかんで先に進んだ会社が大きく伸びるという構図はいつでも変わらないと思います。証券会社でもインターネットにうまく対応できたところはしっかりと業績を伸ばしたのでしょうし、設立当時の会社とまったく事業内容が変わってしまった会社も多々あります。家電量販店で自動車を販売したりもしていますが、そのうち家電メーカーが自動車を作ったりということもあるかもしれません。

 大きな世界の流れ、技術の流れに乗れるのかどうか、そしてそうした流れをしっかりと掴んで変化をしている会社を見分けられるのかどうかも投資の世界では重要なことではないかと思います。自分が思い描いている未来を実現してくれるような企業に投資をして見ると言うのもいいかもしれません。ある意味で自分が経営しているものとしてその方向に向かっている会社を応援すると言うことでもあり、自分の代わりに動いている会社に投資をすると言うことなのだと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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