減税効果の持続期待で堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年12月09日 08時37分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11372.48△13.32

<NASDAQ>2609.16△10.67

<NY為替>84.02△0.50

主要な経済指標の発表などがない中で、減税効果の持続期待で堅調な展開

 特に注目される経済指標の発表もなく個別の材料に反応する相場となりましたが、減税継続の決定を好感する動きは続き、クリスマス商戦に対する期待もあって堅調な展開となりました。目先的な過熱感もあり、利益確定売りなどに押されて上値も重くなりましたが、売り急ぐ動きは見られず、方向感に乏しい展開ではあるものの強含みとなりました。減税延長で財政赤字拡大懸念から債券が売られていることが少し気がかりですが、今のところ長短金利差拡大も銀行にとってプラスとの反応になっており、基調は強いと見ていいと思います。

 商品相場も上値が重くなっていますが、売り急ぐ動きはなく、基調は強含みとなっています。財政赤字拡大での債券売りも景気回復を先取りしているような面もあるものと思われ、景気回復の鈍化やインフレ懸念が取り沙汰されることがなければ株式市場も商品市場も強含みの展開が続くものと思われます。欧州金融不安も世界的な経済の拡大が見られるうちは特に大きな問題に発展することもなさそうです。

 個別には9−11月決算で売上高や1株利益が予想を上回ったコストコ・ホールセールは軟調、マクドナルドも11月の既存て売上高が前年同月比4.8%と好調でしたが、予想を下回ったということで売られるなど好材料への反応は鈍くなっていました。それでも、長短金利差が拡大したことで、利ざやの拡大が期待され、バンク・オブ・アメリカが大幅高、JPモルガン・チェースも堅調となるなど欧州金融不安も薄れたこともあって金融株は軒並み堅調となりました。利益確定売りが一巡となったことで、IBMやインテルなどハイテク銘柄も高く、ホーム・デポも業績上方修正が好感されて堅調となりました。投資判断の引き下げから売り先行で始まったスリーエムも売られ過ぎの反動から反発となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は円安を好感して堅調、一時大幅高となりました。外国人も引き続き買い越し基調ということもあり、円安に素直な反応となったものと思います。目先的な過熱感が強く、出遅れ銘柄を物色するような面もあり、また、値動きの悪い銘柄や悪材料の出た銘柄を売って、値動きの良い銘柄に乗り換えるような動きもあり、指数の過熱感が強い割には割高銘柄も少ない状況です。

 米国市場は堅調、引き続き為替も円安傾向にあることから本日の日本市場も堅調な展開が期待されます。GDP(国内総生産)改定値の発表も特に材料視されることもないと思われます。指数は目先的な過熱感が強いことから、小型銘柄なども含めて出遅れ感がある銘柄を物色する動きになるのかもしれませんが、売り急ぐ材料もなく指数は堅調となりそうです。円高懸念が薄れていることから下期業績を慎重に見ていたハイテク銘柄の一角なども買い直されるのでしょうし、出遅れ感のある内需株の一角などもしっかりとした動きが期待されます。個別の好材料に敏感に反応して来るのではないかと思います。

 引き続き目先的な過熱感も強く、指数の上値も限定されそうで、10200円〜300円の節目でのもみ合いとなりそうです。過熱感が強いことを除けば売り急ぐ材料もなく、為替がこの水準を維持するようであれば、10200円〜300円水準でのもみ合いのなかで底堅さを確認し、次の節目である10500円〜600円水準を目指すことになるものと思います。今のところ、10200円〜300円水準が今度は下値になりそうな雰囲気になって来ました。

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