円安を好感する動きや出遅れ銘柄を買い直す動きで堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年12月08日 17時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
前のページへ 1|2       

明日の相場雑感

 米国市場は上値の重い展開でしたが、円安となったことが好感されて日本市場は堅調となりました。6月の高値水準である10200円台半ばでは上値も重くなるのですが、輸出銘柄ばかりではなく出遅れ感のある内需銘柄の一角も買われるなど、指数に過熱感が出ているなかで堅調となりました。朝方は悪材料に敏感に反応するような場面もあったのですが、じりじりと為替が円安に振れたこともあり、じり高となりました。

 米国で富裕層も含めた大型減税の延長が決定されました。一方日本では証券「優遇」税制の見直しが廃止の方向で議論されていますが、やはり、日米の国民性の違いと言うか考え方の違いが出ているような気がします。昨日も述べましたが、「減税」するということがマイナスばかりではないということだと思うのです。米国の考え方は減税するからたくさんお金を稼いで、税金をたくさん払ってください、ということで、日本ではお金をたくさん稼ぐ人は他の人と同じになるようにあまり稼がない人よりもたくさん税金を払いなさい、と言うことなのだと思います。

 税金の問題だけではなく、米国ではお金持ちがお金を使うと一般人も収入が増えてお金が使えるようになるというような考え方だと思うのですが、日本では一般人があまりお金を使えないのだからお金持ちもお金を使ってはいけない、というような考え方になってしまっているのではないかと思います。何度もこのコラムでも述べていますが、子供手当てなどの「ばら撒き」ではお金が増える出費ではないので、経済効果という意味では効果は少ないと思います。

 「エコポイント」のようにお金を使えばお金が使える、というようなことにすれば、お金が流れ、お金が流れればそこに雇用が生まれ、消費が生まれ、投資や投機が生まれて、さらにお金が増え、お金が増えればお金がもっと流れるようになるということなのではないかと思います。お金の退蔵をいくら増やしても景気はよくならないのではないかと思います。米国個人消費の回復が見られると為替も円安となり、日本企業がお金を使いやすくなってお金が流れるようになるのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.