円安を好感する動きや出遅れ銘柄を買い直す動きで堅調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年12月08日 17時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10232.33円 △91.23円
売買高 19億2800万株
売買代金 1兆4327億4300万円
値上がり銘柄 1260銘柄
値下がり銘柄 280銘柄
騰落レシオ 158.27% △12.85%

日経平均

円安を好感する動きや出遅れ銘柄を買い直す動きで堅調

 米国市場はもみ合いとなりましたが、円安となったことが好感されて買い先行となりました。指数は目先的に過熱感も強く、上値の重い始まりとなりましたが、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたことやじりじりと円安となったことから堅調な展開が続き、一時大幅高となる場面もありました。さすがに6月の高値水準である10200円台半ばとなると、過熱感も強いことから利益確定売りや手仕舞い売りも嵩んで指数も上値が重くなりました。

 後場も円安に振れる場面では買い直される動きもあって堅調な値持ちの良い展開となりました。ただ、いつものことではあるのですが、指数の値動きも鈍く、前場の安値を意識すると底堅く、高値を意識すると上値が重いというような方向感のない展開となりました。債券売り、株式買いと言うような動きも見られ、債券利回りが上昇となっている割りには円高となることもなく、積極的に買い上がる動きは見られないものの、堅調な地合いは最後まで続きました。

 小型銘柄はまちまちとなりましたが、円安を好感するような動きも少なく、インターネット関連銘柄などに軟調なものも見られました。東証マザーズ指数は軟調、日経ジャスダック平均は出遅れ銘柄に小口の買いも見られ小幅高となりました。先物もSQ(特別清算指数)の算出を前に乗り換え商いや手仕舞いの売り買いが中心でまとまった売り買いは散発的に見られるものの、指数の方向感を示すような動きは見られませんでした。

 米国景気の回復期待や円安となったわりには目先的な過熱感もあって上値も限定的となりました。ちょうど節目と見られる10200円〜300円水準=6月の高値水準で上値も重くなっており、ここから一気に抜けて次の節目である、5月の急落時にいったんもみ合いとなった水準である10500円〜600円水準までの戻りを試すにはもう一段の円安、たとえば1ドル=85円水準になるというような材料が必要なのではないかと思います。現状の為替水準でも業績上振れ期待もあるので、業績上方修正となる銘柄などが見られる場合でも、節目を抜けてくるものと思います。ただ、それまでは目先的な過熱感を冷ますようなもみ合い、あるいは押し目を探る場面も見られるのでしょう。

テクニカル分析

日経平均

 転換線のサポートを確認して高値を試す動きとなりました。ストキャスティックスは高値圏からの調整が続いているのですがRSIは調整となっていたものが再度上昇に転じて上値余地もあり、高値を試す動きが続く可能性もありそうです。ただ、過熱感も依然として強く、転換線のサポートを確認する場面はあるものと思います。

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