2025年の太陽光発電システム構築市場は2009年比6.4倍の18兆3000億円に

» 2010年12月08日 11時55分 公開
[栗田昌宜,Business Media 誠]

 市場調査会社の富士経済は12月6日、世界の太陽光発電システムならびに周辺機器に関する市場調査結果を発表。2025年の太陽光発電システム構築(SI)市場は2009年比6.4倍の18兆3000億円、太陽光発電システムの構成機器市場は同6.0倍の12兆6989億円、製造用消耗品市場は同4.6倍の6783億円に成長するという。

 2009年の太陽光発電システム構築市場は、スペインでの需要激減と金融危機の影響を受けて、構成比の高い産業用太陽光発電システム市場が特に縮小し、全体としてもやや縮小した。一方で、シリコンウエハの原料となるポリシリコン価格が需給軟化により大幅に下がり、結晶シリコン系太陽電池の低価格化が進んだ。また、ほかの種類の太陽電池も結晶シリコン系太陽電池との価格競争で低下したことから需要が刺激されており、2010年は2009年比1.4倍の4兆500億円、2025年は同6.4倍の18兆3000億円に市場拡大すると予測している。

個別分野の状況は

 太陽光発電システムの構成機器市場は、太陽電池、パワーコンディショナー、その他の3分類で調査。太陽電池市場は各部材の低価格化によって2009年は1兆6801億円とやや縮小したが、価格下落によって出力容量ベースでは需要は拡大しており、2010年は2兆1187億円、2025年は2009年比5.4倍の8兆9978億円に拡大すると予測。一方、2009年のパワーコンディショナー市場は前年比27.5%増の3570億円。2010年は同62.2%増の5790億円になる見込みで、さらに2025年は2009年比8.5倍の3兆200億円になると予測している。

 製造用消耗品市場は、炭素材料、石英/シリカルツボ、SiC砥粒、スチールワイヤ、ダイヤモンドワイヤ、その他で調査。それらの合計額は、2009年は1474億円、2010年は1827億円(見込み)で、2025年は2009年比4.6倍の6783億円になると予測している。

消耗品(製造装置用)市場(出典:富士経済)

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