懸念材料も多く、方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年12月06日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 週末の米国市場は堅調でしたが、金融緩和期待、ドル安期待から堅調となった面もあり、ドル安=円高を嫌気する動きも見られるのかと思われましたが思ったよりも底堅い堅調な展開となりました。目先的な過熱感が強いこともあり、相場全体を押し上げるようなよほどの材料でもないとなかなか上値も重いと思われます。ただ、企業業績がここから更に悪化するには逆にもっと円高が進むとか、中国の景気が減速するなどといった理由が見えてこない限りは下値を売り叩く動きも限定されてしまうものと思います。

 閑散として方向感のない展開が続いており、相場も方向感に乏しい状況が続いています。昨日、ソニー(6758)の電子書籍端末の実物を見て来ました。12月10日発売と言うことですが、米国ではアマゾン・ドット・コムが発売している「キンドル」とともに欧米では発売されており、どのようなものか非常に興味があったので、見てきました。電子書籍端末はスマートフォン(高機能携帯電話)や高機能携帯端末が続々と発売になっており、競争が激しくなってくると思われます。

 携帯電話やパソコンの代替として見るか、本の代替に近いのかで大きく分けられると思われますが、ソニーの端末が米国などで50代以上の年齢層に売れているように、より紙に近いものと見られます。どちらかというと、本に近いいわゆる「電子書籍端末」は高年齢層や本来、本を携帯している層に好まれるのでしょうし、高機能携帯端末などは雑誌やゲーム、通常のパソコンの代替として使われるのだと思います。

 そして、スマートフォンはもう少しこれらの機能をコンパクトにある程度限定されたものとして使われるのだと思いますが、手紙が「メール」にとって変わられ、レコードがCDになり、CDが「音楽ファイル」として流通するようになったのと同様なことが今後は雑誌や本など出版の世界でも主流になって来るものと思われます。携帯電話が一人1台となり、会社や自宅でもパソコンを当たり前のように使うようになったのと同じように、「電子書籍」も「普通のこと」になるものと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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