懸念材料も多く、方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年12月06日 16時05分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10167.23円 ▼11.09円
売買高 14億8079万株
売買代金 1兆0354億5100万円
値上がり銘柄 1222銘柄
値下がり銘柄 306銘柄
騰落レシオ 139.38% △11.33%

日経平均

週末の米国市場は堅調だがドル安懸念など懸念材料も多く、方向感のない展開

 週末に米国市場で円高となり、中国の金融緩和終結や米国と韓国のFTA(自由貿易協定)合意など、日本市場には悪材料と見られるニュースが多かったのですが、米国株や商品相場が堅調ということや外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しとなったことなどから底堅始まりとなりました。週末のヘッジ売りの買戻しもあったものと思われ、寄り付きの買い一巡後は上値の重い展開となりました。上値の重さを嫌気して売り急ぐ動きもなかったのですが、底堅さを好感して買い急ぐ動きもなく、方向感のない展開となりました。

 後場も一段と方向感のない展開となりました。じりじりと円安気味となったのですが、円高一服ということで、ここまで輸出株などが買われていたこともあり、ドル安懸念が残るなかで買い急ぐ動きもありません。一方で、米韓のFTAの影響や米国雇用懸念が払拭されないことから、輸出株を買う動きも限られ、内需拡大政策が見られることもないことで、内需株にも積極的な買いは見られませんでした。商品相場が堅調ということで、商社株や非鉄株などが買われて下支えとはなったのですが、指数を大きく動かすこともありませんでした。

 小型銘柄は主力銘柄が冴えない動きとなるなかで、値動きの良い銘柄には目先筋の買いも見られ、総じて堅調となりました。東証マザーズ指数は大幅高、日経ジャスダック平均は堅調と幕間つなぎ的に買われました。先物はまとまった売り買いはほとんどなく、非常に狭い範囲での動きとなりました。指数を大きく動かすような売り買いもなく、終始閑散とした方向感のない展開が続き、散発的に見られるまとまった売り買いも週末のSQ(特別清算指数)算出を控えた乗り換えの動きと見られ、指数の動きに方向感が出るようなこともありませんでした。

 強弱感の対立というよりも、米国経済指標への反応を見極め切れないということもあって、方向感のない展開となりました。ドル安方向への動きになるのか、中国の経済拡大スピードは鈍るのか、韓国企業の強さはどうなのか、週末のニュースや経済指標などを消化しきれないと言うことなのだと思います。ただ、逆に考えれば、ドル安がどんどん進むかどうか、中国の景気が悪くなるのかどうか、韓国企業が日本企業を凌駕することになるのかどうか、すべて目先のこととしては否定されるのであれば、企業業績を改めて見直す動きになれば、まだ上値を期待できそうです。

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