週末の手仕舞い売りに押されて上値が重い清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年12月03日 16時10分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10178.32円 △9.80円
売買高 15億6174万株
売買代金 1兆1639億9800万円
値上がり銘柄 914銘柄
値下がり銘柄 547銘柄
騰落レシオ 128.05% △3.38%

日経平均

米国株高やユーロ高を好感して買い先行となるも目先的な過熱感が強いことや週末の手仕舞い売りに押されて上値が重い

 欧州金融不安が薄れてユーロ高となったことや米国での小売売上高が好調ということで米国株が堅調となったことから、買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられたこともあって、堅調な地合いとはなったのですが、週末という事や目先的な過熱感もあり、円高気味となったこともあって上値の重い展開となりました。いったん上値の重さが確認されると積極的な買いも、買戻しを急ぐ動きもなく、指数はじりじりと上げ幅縮小となりました。

 後場も引き続き上値の重い展開となり、上値の重さを嫌気して売り急ぐ場面も見られ、一時軟調となるなど冴えない展開となりました。それでも、下値をむきになって売り叩くような動きもなく、朝から売られていたものなどは逆に週末の買戻しもあって底堅い展開となりました。特に材料に反応すると言うよりは週末の持高調整の売り買いとヘッジ売りが中心という感じで、買戻しが入っている銘柄は特に材料が出たわけでもなく大幅高となるものも見られました。総じて方向感のない展開と言える週末となりました。

 小型銘柄も手仕舞い売りに押されるものも多く、冴えない展開となるものが多く見られました。海外市場動向や為替への反応も鈍く単に手仕舞い売りがあるかないかだけで振らされているような感じでした。それでも、東証マザーズ指数は堅調、日経ジャスダック平均は小幅高となりました。先物もまとまった売り買いはほとんど見られず、目先筋の売り買いとヘッジ売り、持高調整の売り買いが中心で指数の方向感を出すような場面はほとんどありませんでした。

 週末の米雇用統計への米国株式市場の反応を見極めたい、ということなのだと思います。ただ、米国市場はドル安効果、金融緩和効果で企業業績は上向いており、企業業績の回復も雇用や個人消費の回復につながっているような感じです。足元のクリスマス商戦も今のところ好調と伝えられており、金融緩和が過剰流動性相場となり、今後は景気の回復を確認して業績相場に移行できるのかどうか、本当に景気が回復=個人消費レベルまで、しているのかどうかを見極めるということなのだと思います。日本株は米国の景気回復が少なくとも円高傾向が止まる要因とはなるので、下期慎重な見通しとなっている企業業績の上振れが期待されると言うことになるのでしょう。

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