住宅指標の改善、クリスマス商戦が好調で堅調な展開清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年12月03日 08時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

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欧州金融不安が薄れたことや住宅指標の改善、クリスマス商戦が好調で堅調な展開

 欧州中央銀行(ECB)が無制限の資金供給を継続することを確認、欧州金融不安が薄れたことに加え、朝方発表された住宅指標が予想に反して大幅改善となったこと、また、小売り各社の足元の状況が好調と伝えられたことが好感されて大幅高となりました。新規失業保険申請件数は予想を上回り、雇用の改善は見られませんでしたが、月が替わって再度ファンド筋が持ち高を増やすような展開となったことも、商品相場も含めて相場全体を押し上げる要因となったものと思います。ドル安となっているところを見ると、債券利回りの上昇にも関わらず「ドルキャリー取引」なども見られるのかもしれません。

 欧州での「出口戦略」が先送りされたことで、世界的な金融緩和効果からの「過剰流動性相場」が期待されそうですが、米国でのクリスマス商戦が好調とされることから、いずれ、米国も「出口戦略」が取り沙汰されて、業績相場に移行できるかどうかが試されることになるのでしょう。ただ、足元ではドル安効果や金融緩和効果がどこまで個人消費や雇用を改善、回復させているのかを見極める段階であり、個人消費が好調、雇用の改善が順調とされるたびに先高期待が高まるということになりそうです。

 個別には欧州金融不安が薄れたことや大手証券が金融セクターに対して前向きな見方を示したことから、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースが大幅高となるなど金融株が軒並み堅調となりました。小売り各社の売り上げも発表され、好調なものが多かったのですが、JCペニーやイーベイは堅調となったものの、メーシーズやアマゾン・ドット・コムは利益確定売りもあって軟調となるなどまちまちとなりました。住宅指標が予想に反して大きく改善していたことで、ホーム・デポが大幅高、トールブラザーズなど住宅関連銘柄も高くなりました。商品相場もファンド筋の買いなどで高かったことからアルコアが大幅高となり、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)などの景気敏感株やインテル、IBMなどのハイテク銘柄も総じて堅調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は米国株高や円安を受けて大幅高となりました。目先的な過熱感もあり、米国での主要な経済指標の発表なども控えていることから、上値も重いのですが業績の上振れも期待されて大幅高となりました。ただ、寄り付きの買いが一巡した後ちょっと動いたのですが、指数には大きな動きはなく、大幅高となった割には盛り上がりに欠ける展開となりました。

 欧州金融不安も薄れ、米国市場も堅調となったことから日本市場も堅調な展開が期待されます。ただ、戻り高値圏にある週末、米国市場で注目される経済指標の発表のある週末と言うことや米ドルに対し円高となっていることや目先的な過熱感も強いことから、利益確定売りやヘッジうりなども見られ、上値も限定的となりそうです。金融株などの出遅れ感のある銘柄は堅調となるのでしょうが、先駆したハイテク銘柄などの中には上値の重いものも見られそうです。

 引き続き日経平均の節目と見られる10200円〜300円水準を抜けるのかどうか試すような動きとなりそうです。週末ということや目先的な過熱感も強いことから10300円水準では上値も重くなるものと思われます。週末の米国経済指標が改善、改めてクリスマス商戦が好調と伝えられるようであれば、上値の節目10500円〜600円水準を試すような動きになるのでしょうが、ドル安と言うこともあり、本日は10200円台で引ければ善しと考えていいのではないかと思います。

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