学習塾業界が“異種格闘技戦”になっている(2/3 ページ)

» 2010年12月03日 08時00分 公開
[今野篤,INSIGHT NOW!]
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1.学習塾内戦

 弱肉強食と言えばいいのだろうか、大手学習塾による中小学習塾の買収が加速している。買収までいかなくても株所得や業務提携を合わせればかなりの数になる。

 一例をあげると、さなる(栄光の筆頭株主、三島進学ゼミナールなどを買収、成学社と業務提携)、リソー教育(伸芽会などを買収)、市進ホールディングス(進学会やウィザスと業務提携)、明光ネットワークジャパン(東京医学進学会の買収、早稲田アカデミーの個別部門での業務提携)。また、トライなどの家庭教師業界の動きも見逃せない。中小や細かなものを探していくときりがないが、今や買収や業務提携の場は塾内だけにとどまらない。

2.予備校からの参戦

 学習塾の内戦状況を少し離れたところから監視しているのが予備校だ。大手予備校はその豊富な資金力を使って、相次いで学習塾を買収している。東進グループの母体であるナガセ(四谷大塚を買収、早稲田アカデミーの株式取得など)や代々木ゼミナール(SAPIXを買収)がそうだ。

 各社ともにM&Aを通じて、教育の上流から下流までを統合していく垂直統合型の戦略をとっている。また、河合塾と日能研は共同出資して日能研東海を設立している。

3.通信教育からの参戦

 学習塾とかなり近い関係にある通信教育業界には2つの超大国がある。ベネッセコーポレーション(東京個別指導学院買収、アップと資本・業務提携)と学研ホールディングス(桐杏学園を買収など)の2つだ。

 こちらも予備校と同様に潤沢な資金を武器に学習塾業界に攻め入っている。ただし、ベネッセは上場企業の大手を、学研はどちらからというと中小規模の買収に熱心だ。

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