57.6%――。
文部科学省と厚生労働省は11月16日、来春卒業予定の大学生の就職内定率(10月1日時点)を発表した(関連リンク)。内定率57.6%は前年より4.9ポイント低く、「就職氷河期」と言われた2004年の60.2%を下回った。
内定率が6割を切った背景には、急激な円高で景気の先行き不透明感が強まっていることが挙げられる。リーマンショック後、大学生の就職難は厳しさを増すばかりだが、就職先が決まらない既卒者を支援しようという動きが広まりつつある。民間企業が指揮をとり既卒者の採用に乗り出したり、政府が就職を支援する政策を打ち出した。
「本日、13時に人事の○○さまとお約束を頂戴しております。恐れ入りますが、お取次ぎ願えますでしょうか?」「はい。お待ちしていました。お取次ぎいたしますので、こちらでおかけになってお待ちください」――。
“生徒”たちはテキパキとした動きを繰り返すが、講師の目は厳しい。
「みなさん表情がとても硬いです。聞いているみなさんも、ただ聞いているだけではなくてちゃんとメモをとってください。言われなくてもするようにしましょう」と講師の声が部屋の中で響き渡る。
これは総合人材サービス・パソナが行っている「フレッシュキャリア社員制度」の、基礎研修のひとこまだ。2010年に卒業した人などを、同社は契約社員として採用し、派遣先で職務経験を積ませるという試み。契約期間は最大2年間で、10月末までで1370人を採用し、770企業(依頼件数2050件)と連携。2011年には採用人数を6000人規模に拡大させるという。
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