ユーロ安に月末の手仕舞い売りに押されて大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年11月30日 16時07分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9937.04円 ▼188.95円
売買高 21億7851万株
日経平均先物 9950円 ▼170円
売買代金 1兆5216億円
TOPIX 860.94 ▼13.65
値上がり銘柄 224銘柄
東証マザーズ指数 384.78 ▼1.16
値下がり銘柄 1342銘柄
日経ジャスダック平均 1189.70円 △2.27円
変わらず 95銘柄
騰落レシオ 110.97% ▼10.67%

日経平均

米国株安や中国金融引き締め懸念、ユーロ安に月末の手仕舞い売りに押されて大幅下

 米国株が軟調となったことやユーロ安となったことを嫌気して売り先行となりました。それでも外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が小幅買い越しと伝えられたことやドルやユーロも下げ渋りとなったことなどもあり、底堅い展開となりとなりました。日経平均は10000円台を保って小動きとなりました。月末ということで持高調整の売り買いが中心となっていましたが、買い戻しを急ぐ動きもあり、全体としては底堅さが見られました。

 後場に入ると中国での金融引き締めからの中国景気の減速懸念が取り沙汰されて売り急ぐ展開となりました。引き締めを急ぐような経済指標が出たわけでもなく、市場外取引で比較的大きな売買が見られたこともあって、持高調整の処分売りが出たところで、中国株が安かったので理由を探して来たということなのかもしれません。目先的には過熱感が強かったこともあり、月末の手仕舞い売りも嵩んで大きな下げとなったものと思います。

 小型銘柄は比較的底堅い堅調なものが目立ちました。持高調整の売りも手仕舞い売りも少なく、大きく下押すことはありませんでした。東証マザーズ指数は軟調となったものの日経ジャスダック平均は底堅い堅調な展開となりました。先物も後場に入ってから持高調整のためのヘッジ売りなども見られまとまった売りが出て指数を下押す場面もありましたが、日経平均が10000円を割り込んだ水準からはいったん売り急ぐ動きも出たものの売り一巡から売り叩く動きもなく、下げ渋りとなりました。

 月末の持高調整が主体と思われますが、大きな下げとなりました。中国の金融引き締めや欧州金融不安が取り沙汰されていましたが、結局は目先の需給要因が大きな下げの要因だと思います。米ドルが底堅いことでもわかるように、今後は米国での景気回復度合いを織り込むような展開となるものと思われ、米国経済指標に右往左往しながら、強含みの展開となるのでしょう。目先的に過熱感が強いことから、いったんは下値を試す動きもあるかもしれませんが、基調は強含みと見ても良いと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 転換線まで一気に調整となりました。RSIには上値余地はあものの下落となり、ストキャスティックスは高値圏からの調整となっており、このまま転換線のサポートを確認しながら日柄調整となるのか、一気に基準線までの調整となるのでしょうが、基準線の上昇まで転換線にサポートされて底堅い展開となるものと思います。

TOPIX

NYダウ

 転換線までの調整ですが、高値圏でのもみ合いの範疇と言うことで、方向感のない展開とも見えます。RSIは上値余地のあるところから下落となり、ストキャスティックスも高値圏からの調整となっており、いったん調整となるところです。このまま転換線にサポートされて高値圏のもみ合いで日柄調整となるのか、一気に基準線まで下落となって値幅の調整となるのでしょう。

円相場

NYダウ

 RSIもストキャスティックスも高値圏にあるのですが「三役好転」となったことで強含みとなっています。ただ、遅行線は雲に上値を押さえられた格好で上値が重くなってくるものと思われ、いったんは日々線が雲のサポートを確認するような調整もあるものと思います。

銘柄ピックアップ

買戻しも一段落、手仕舞い売りに押される。

新日鉄(5401) 277 ▼13

 鉄鋼大手の2011年1−3月期は原料高が集積の重荷になりそうだと新聞で報じられ、収益下振れ懸念から売られ大幅安となりました。昨日までの戻りの反動もあったものと思います。

第一生命(8750) 120200 ▼800

 保険金不払い問題で契約者への支払い漏れが更にあったことから嫌気する売りに押されて軟調となりました。会社側は追加支払いによる業績予定の変更はないと説明しており、特に大きな下落とはなりませんでした。

ファナック(6954) 11990 ▼230

 月末の手仕舞い売りに加え、中国での金融引き締め懸念が取り沙汰されたことから見切り売りも嵩んで軟調となりました。目先的な過熱感もあったことから売りが嵩んだものと思います。

ホソカワミクロ(6277) 334 △31

 昨日の引け後に日清製粉G(2002)が同社の株式を筆頭株主から買い取ると発表したことから、協業による収益拡大を期待する買いが入り、大幅高となりました。

任天堂(7974) 22730 △750

 米国クリスマス商戦が堅調と伝えられたことや対米ドルでの円安となっていることを好感、月末の持高調整の買戻しもあって大幅高となりました。

東芝機(6104) 383 △11

 ここのところの円安を好感する動きに加え、国内大手証券が主力の成形機部門の増収増益の確度が高まったことなどから投資判断を引き上げたことが好感されて堅調となりました。

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