コラム
» 2010年11月30日 07時55分 UPDATE

藤田正美の時事日想:支持率1%でも辞めない……菅総理の奇怪千万な振る舞い (1/2)

菅内閣の支持率が急降下しているが、菅総理は「支持率が1%になっても辞めない」と言ったという。かつて野党時代には民意を盾に与党を攻め立てた菅氏だが、もはや政権の座を守ることしか興味がないのだろうか

[藤田正美,Business Media 誠]

著者プロフィール:藤田正美

「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年〜2000年に同誌編集長、2001年〜2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”


 菅内閣の支持率が低下している。日本経済新聞の世論調査によると、「支持する」と答えた人は1カ月前より10ポイントも下がって30%に止まり、「支持しない」は逆に12ポイント上昇して60%になった。しかも政党支持率では民主党と自民党がともに30%で並んでしまったのである。

 理由は明白である。中国やロシア、北朝鮮といった日本の隣国との外交関係がスムーズにいかず、また柳田法務大臣のような「失言」に対してもうまく対処できていないからだ。

与党内の権力争いがある

 民主党の外交能力は限りなくゼロに近いと思う。それは外務省の知恵をうまく使えないことが大きな理由である。「政治主導」という言葉が政治家の行動を縛って、役所からうまく知恵を吸い上げることができないでいる。官僚にしてみれば、民主党政権などどんなに長くてもあと2年半で終わると思えば、頭を下げて嵐をやりすごせばいいのである。

 しかし問題はそれだけではなさそうだ。この臨時国会では、政府が提出した法案の成立率が極端に低い。11月26日現在で37本のうち12本しか成立せず、過去10年の臨時国会では最低だという。仙谷官房長官の問責決議が参院本会議で可決されたことで、このまま会期末まで開店休業状態が続く。

 2010年夏の参議院選挙で民主党が惨敗し、参議院での審議が思うように進まないのは理解できるとしても、今年の通常国会での法案成立率も55%に止まっている。与党が衆参両院で多数を占めていたのに、半分近い法案が廃案になった。民主党と連立を組む国民新党が強く推している郵政改革法案などは通常国会で廃案になってしまった重要法案の1つだ。

 ある官僚はこう語った。「与党が過半数を握っている国会なのに法案が半分しか成立しないというのは、与党内の権力争いがあるからだ」。要するに、自分の影響力を何とか行使して、将来に備えたポイントにしたい与党議員が多すぎるのだという。

 政権を取った政党は、自分たちが目指す社会を構築するために法律を制定し、制度を変えていくものである。その法案を成立させられないのでは、マニフェストも何もあったものではない。この調子では、来年度予算を審議する通常国会は悲惨なことになりかねない。予算本体は押し切ることができても、それを強行すれば関連法案が参院で立ち往生することが目に見えている。仙谷官房長官が更迭される可能性もあるだろう。

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