コラム
» 2010年11月26日 08時00分 UPDATE

「キャリアに保険をかける」にはどうすればいいのか? (1/3)

仕事をする上で安定性はとても重要なポイント。しかし、筆者がこれまでのキャリアカウンセリングやセミナーを通して会った人たちからは「本当の保険をかけていない」印象を持つという。

[荒川大,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:荒川大(あらかわ・ひろし)

株式会社ENNA代表取締役。「人的リスクマネジメント」をキーワードとして、内部統制対応の人事コンサルティング、IT統制対応の人材派遣、メンタルヘルスのカウンセリングを提供している。


 「キャリアに保険をかける」と言っても、「キャリア保険」なる金融商品があるわけではありません。

 生命保険や医療保険、損害保険のようにお金を払えば安心というものでもなく、健康保険や介護保険のように国が守ってくれるものでもない「キャリアの保険」について少し考えてみたいと思います。

キャリアの「安定性」は何から生まれる?

 今年はかつての就職氷河期を下回る内定率のようです。今後、年が明けて入社時期に近づくと就職率が発表されますが、この段階になると幾分数字は上昇します。

 それは母集団が小さくなるからです。そもそも母集団は就職を希望している学生のみであり、大学院への進学や留年、公務員試験の受験など、さまざまな理由で母集団を形成する人数が減っていくためです。

 さて、キャリアの安定性という点で、私自身が職業斡旋を前提としない有料キャリアカウンセリングを行っている背景を少しお話ししたいと思います。

 私の身内が勤務した会社ですが、1人は東証一部上場で創業70年目に吸収合併され大リストラが行われました。もう1人は東証一部上場のIT系企業で地方拠点が分社化され支店から子会社となり、社員は転籍(賃金などを含む見直し)となりました。最後の1人は大手運輸系企業で外から見た限りでは現在、大変なことになっています。

 また、電機メーカーや金融機関であっても、私が就職活動をしていた10数年前と比べても業界図は大きく変わってきています。

 ということで、それぞれ当時は就職人気ランキング上位に掲載されていた企業であったのですが、今は影はあっても、人気ランキングで抱かれた希望という形がない状況です。

再就職を支援する中で見えてくるもの

 30〜50代の再就職を支援していると、再就職に成功するか否かというポイントは、それまでに経験してきた業務だけではなく、周囲にいる当時の上司や同僚、後輩とどのように接してきたのかにかかっているように感じています。

 日本企業への転職という点で言えば、優秀すぎても不自由ですし、仕事を任されなさ過ぎても不自由といえます。ここで重要なのは、仕事がデキるから安泰というわけでもないということです。

 ちなみに、再就職のカウンセリングのときに話していることですが……、「路上で困った顔をしている人を助けたことがありますか?」とうかがうようにしています。

 ほとんどの人はよほどの理由がなければ、「基本的に避けている」と答えます。声をかけるのはボランティアか宗教の勧誘かもしれません。要は「余計な問題に巻き込まれたくない」という意思によるものなのです。

 続けて「困っている友人を助けたことはありますか?」とうかがうと、みなさん「あります」とお答えになります。

 では、自分自身の現在の人間関係をベースに考えた場合、正しく「仲間に相談」して「他人には明るく振る舞っている」のでしょうか。

 実際には「仲間にはプライドもあって明るく振る舞い、再就職活動に関しては感情をそのまま表情に出していることが多い」ということに気付いている方々がどれだけいるのか心配になることが多いのです。

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