著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
RMロンドンパートナーズ(株式会社RML慶文堂)代表取締役。東京工業大学特任教授、コミュニケーション戦略家。人事コンサルタント兼大学キャリア教官兼心理カウンセラーで、東工大大学院では「コミュニケーション演習」の授業を行っているほか、企業では人材にも「戦略性」を重視する功利主義的アクティビティを提唱している。
今年一番のドラマは連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」でした。漫画家の水木しげる先生が極貧の中からジャパニーズドリームをつかむ過程を見事に描いた「ゲゲゲの女房」は傑作だったと思います。毎週ワクワクした視聴者として、「深いな」と一番感じたのはやはりビンボー時代の心構えです。
とにかく何をやっても貧乏から抜け出せない水木しげる先生ですが、「貧乏そのものは怖くない」と言います。自ら南方戦線で死に損なった体験を持つ水木先生は、時機というものが必ずあって、「時機に至らないのに無理を押すと、必ず失敗する」という信念を持っていたようです。
これは経営にも通じることなのではないでしょうか。うまくいく時、そうでない時、さまざまあります。自らのミスは自己責任ですが、どれほど頑張っても成果につながらない。ビジネスではよくあることですね。
さらにキャリアというものも、ビジネス同様、当てはまるように思います。つまり四半期とか半期とか通期とか短い期間の視点ばかりが重視される昨今ですが、そもそも経営や人生というものはロングタームの側面もあるわけです。
ツキの流れとか、ツキの量なんてことは博徒ドサ健から学びましたが、これもまた終戦直後の話ですね。水木先生同様、戦争という死線をさまよった方々は、「生命」というロングターム、ライフロングな視点を意識するものなのかもしれません。
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