10000円台回復清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年11月18日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 これまでは米国市場が上昇する時に日本市場が冴えない展開と言うパターンでしたが、今週は米国市場が冴えない展開で日本株が堅調と言うパターンになっています。ヘッジファンドの決算に絡んでこれまで売っていた日本株、買わなかった日本株を買い戻し、あるいは買い直す動きとなっているものと思います。それだけではなく、日本株の中でもこれまで売っていた銀行株や半導体関連株などを買い戻し、商社株などを売るという動きも出ているようで、債券売り、株買いの動きもあって大幅高となりました。

 海外株式市場や商品相場に比べ日本株は冴えない展開となっていたのですが、ここへ来て、11月、12月の決算を控えてということなのだと思いますが、これまで買っていたものを売り、売っていたものを買うような動きがあちこちで見られます。買われていた円を売って、売られていたドルを買う、買っていた債券を売って、株を買い戻すというような展開です。通貨でも買われていた高金利通貨が売られる場面もありました。そうこうするうちに、本日はそうした動きが全て「良い方に」動いたというような感じです。

 現在のように瞬時に世界中の情報が手に入り、世界中の市場が瞬時に動くということで、単純に円安だから・・・、とか中国株が云々・・・、などと言うことで、市場が動いているわけではないのだと思います。きっかけはヘッジファンドであったり、金融当局の利上げや利下げ、あるいは政府高官のコメントや政策の発表であったりするのですが、「アメリカがくしゃみをすると日本は風邪をひく」などと言われたこともありますが、今や、アメリカが躓くとロシアが風邪をひき、中国がくしゃみをすると中東が躓くような、とてつもない規模で世界中をお金が回っているような感じです。

 もちろん、個々の株価は個々の理由で動いているものなのですが、大きな流れを見ることも必要で、今世界で何が起こっているのか、為替の方向性、金利の動向、株式市場の心理状態まで、見ておかなければならないものも多いのではないかと思います。そして大きな流れ、何が起こっているのかをしっかりと把握しておけば、目先的な1円、2円の「ブレ」を気にすることなく、株式投資をすることが出来るのではないかと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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