10000円台回復清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年11月18日 16時01分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 10013.63円 △201.97円
売買高 24億4027万株
日経平均先物 9980円 △150円
売買代金 1兆5529億円
TOPIX 868.81 △18.51
値上がり銘柄 1519銘柄
東証マザーズ指数 372.30 △3.87
値下がり銘柄 73銘柄
日経ジャスダック平均 1167.24円 △6.62円
変わらず 65銘柄
騰落レシオ 106.01% △9.24%

日経平均

持高調整の買いや世界的な信用収縮懸念が薄れて大幅高、10000円台回復

 米国市場は相変わらず冴えない展開となり、為替も小動きとなったことから、大きく売り買い偏るような動きもなくおとなしい始まりとなりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が売り越しと伝えられたこともあり、目先的な手仕舞い売りもあって軟調となる場面もあったのですが、出遅れ感が強いというこで銀行株などが買われて底堅さが見られ、円安傾向が確認されたことなどから電子部品株などが買われて堅調となりました。物色の広がりも若干見られ堅調な地合いで前場の取引を終わりました。

 後場は一段高、大幅高となりました。ユーロが堅調となったことで、信用収縮懸念が薄れ、香港市場などでもファンド筋の売り一巡感から買い戻しや押し目買いが入り、債券売り株式買いの動きなどもあって大幅高となりました。円安を好感する動きばかりではなく、内需銘柄や新興市場の銘柄までも物色対象が広がり、日本株全体の出遅れ感を見直すようにほぼ全面高となりました。さすがに日経平均10000円を意識するところでは目先筋の利益確定売りに押されて上値も重くなりましたが、最後まで値持ちは良く、最後は10000円台を回復、大幅高となりました。

 小型銘柄も堅調なものが多かったのですが、主力銘柄が先物主導で上昇する場面もあり、主力銘柄に比べると上げ幅も限定的となりました。ただ、個別に材料が出た銘柄などは大きく値を飛ばすものもあり、総じて堅調、東証マザーズ指数は大幅高、日経ジャスダック平均も堅調となりました。先物も後場中ごろからはまとまった売り買いも少なくなりましたが、後場の寄り付き直後まではまとまった買いが見られる場面もあり、指数を押し上げる要因となった場面もありました。

 昨日まではこれまでと反対に海外株が軟調、商品相場も軟調となるなかで、日本株が出遅れ感があって買われ、底堅い堅調な展開となっていましたが、円高に戻らないと見られて日本株が見直される中で、アジア株が堅調、高金利通貨も堅調となるなど、投機的な資金が再度市場に流入して来たようです。いったん手仕舞いとなった後の買いなのか、まだ手仕舞いの買い戻しに過ぎないのかもう少し様子を見る必要はあるのでしょうが、「これ以上円高にならない」と確信されつつあり、いったん心理的な節目である10000円をつけて達成感や目先的な過熱感はあるのかもしれませんが、日本株は水準訂正、割り安是正となって来るのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 RSIには上値余地もあったのですが、調整となりそうで、ストキャスティックスも高値圏からの調整となっていたのですが、もみ合いを放れかけて来ました。底入れ感は強まっており、「戻れば売り」と言うよりは「下がれば買い」と言う雰囲気になっているのでしょう。それでも目先的には過熱感もあり転換線をサポートに底堅いながらも上値の重いような展開が続くのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 ようやく底入れ感が出てきました。ストキャスティックスも高値圏からの調整となっていたのですが、再度高値を付ける展開となりRSIは上値余地もあるのですが、上値も限られそうです。転換線のサポートを確認しながら日柄の調整が必要ということなのだと思います。

円相場

NYダウ

 雲に押さえられて上値も重く上げ一服となりました。RSIは上値余地もあるのですが、ストキャスティックスは高値圏にあり、いったん雲の下限にそって調整となるか、雲の上限まで上昇となって、雲の上限にサポートされながら調整となって来るのではないかと思います。

銘柄ピックアップ

持高調整の買いが入り、買戻しを急ぐ動きに

三菱電(6503) 830 △32

 ファクトリーオートメーション(FA)などの拡販で2014年3月期までの早期に売上高を4兆円に回復したいとの社長のコメントが新聞で報じられたことや、総じて堅調な地合いの中で買われ大幅高となりました。

双  日(2768) 151 △3

 アルゼンチンで農場を経営、大豆やとうもろこしなどの作物を生産すると発表、食料需要の増大を受けての戦略が評価されて買われ、堅調となりました。

ドワンゴ(3715) 164000 △5600

 動画共有サイト事業の営業利益が大幅に拡大しそうだと新聞で報じられ、出遅れ感や業容拡大を期待した買いが入り大幅高となりました。

村田製(6981) 4950 △65

 特に材料が出たわけではないのですが、円高進行が止まったとの見方が強く、持高調整の買戻しも交え割安感もあって買い直されて堅調となりました。

J X(5020) 530 △24

 原油価格の上昇で石油精製事業の改善が見られるとして国内証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが素直に好感されて買われ、大幅高となりました。

SUMCO(3436) 1267 △14

 指数が大きく上昇する中で上値の重い場面もありました。半導体の需給悪化が懸念されることなどから、外資系証券が投資判断と目標株価を引き下げたことも見切り売りを誘い、上値が重くなりましたが持高調整の買戻しも入り堅調となりました。

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