<NYダウ>11023.50▼178.47
<NASDAQ>2469.84▼43.98
<為替:NY終値>83.29-83.35
中国の金融引き締めが引き続き懸念され、欧州金融不安が再燃したことで一気に信用収縮=リスク回避の動きが出て大幅下落となりました。朝方発表された鉱工業生産指数も予想を下回ったことで、手仕舞い売りを急がせる格好となり、大きな下げとなりました。新興国経済の拡大が商品相場高などをもたらし、また、新興国の経済拡大の恩恵でここまで米国市場が上昇してきたと見られているだけに新興国経済の拡大が懸念されるといったん手仕舞うという動きになるようです。
ヘッジファンドの決算月と言うことも商品相場やユーロなどの大きな下落に繋がった面もあると思われます。欧州での財政不安はちょうど昨年のドバイショックのようなもので、新興国経済の拡大が大いに期待されているところやファンドの売りが出難いところであれば、大きく取り沙汰されることもなかったかもしれません。ファンドなどの手仕舞い売りや仕掛け的な売りが一巡したところから、今度は米国内の個人消費や雇用に改善が見られる、あるいは新興国の景気拡大が確認されると、反転となって来るものと思います。
個別にはほぼ全面安となるなかで利益見通しを引き上げたウォルマートと1株利益が予想を上回ったホーム・デポ、予想を上回る好決算を発表したサックスが高くなりました。手仕舞い売りが中心と見られ、大きく下げるものが見られるというよりは総じて1%〜2%安いという感じで、インテルやIBMなどハイテク銘柄、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど金融株、アルコアやエクソン・モービル、ニューモント・マイニングなど素材株、石油株、金鉱株など、1%〜2%台の下落となり、個人消費には改善の兆しも見られているのですが、手仕舞い売りに押されてGE(ゼネラル・エレクトリック)やキャタピラーなど景気敏感銘柄も1%〜2%の下落となっています。
昨日の日本市場は円安を好感して買い先行となったものの、節目を抜けた達成感や中国の物価統制懸念から手仕舞い売りに押されて軟調となりました。下値をむきになって売り叩くような動きは見られないものの、円安のうちに利益を早めに確保しようと言う動きもあり、軟調となりました。それでも節目と見られる9800円水準で引けたことで、底堅い雰囲気は見られたのではないかと思います。
為替は対米ドルでは落ち着いているのですが、新興国や欧州での金融不安や金融引き締め懸念が根強いことから、日本市場も売り優勢の展開となりそうです。例年この時期に波乱となることも多いのですが、ファンド筋の手仕舞い売りなども嵩んで、信用収縮の動きとなっているような感じです。景気の先行きや業績と言うよりはいったん需給要因で売られるということなのだと思います。商品相場が軟調となっていることから、商社株や非鉄株は売られてしまうのでしょうが、対米ドルでの円安を好感する動きが見られるかどうかが注目されます。円高を嫌気して売られていた輸出株には買い直しや買戻しの動きも見られるものと思います。
日経平均は9800円〜900円水準での上値の重さを確認した格好となっています。9800円水準が保てれば良いのでしょうが、9500円〜600円水準を下値、9800円〜900円水準が上値のもみ合いと見られるのではないかと思います。海外市場に比べ日本市場は戻りが鈍かった分、対米ドルでの円安を好感して値がさハイテク銘柄などで指数を下支えする展開となれば、9700円水準で下げ渋るのでしょうが、目先的な過熱感を冷ますような調整となると9500円〜600円水準の下値を確かめることになるのでしょう。
◇9月の景気動向指数改定値(内閣府)
◇10月の米消費者物価指数(CPI)
◇10月の米住宅着工件数
◇英中銀金融政策委議事録(3−4日開催分)
◇10月の英失業率
◇海外8−10月期決算:アプライドマテリアルズ(AMAT)、ターゲット
◇シンガポール市場が休場
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