光の滴が落ちるかのよう、カナダから幻想的な照明「ボッチ」(1/2 ページ)

» 2010年11月16日 07時50分 公開
[本間美紀,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

エキサイトイズムとは?

「高い美意識と審美眼を持ち、本物を知った30代男性」に向けたライフスタイルのクオリティアップを提案する、インターネットメディアです。アート、デザイン、インテリアといった知的男性の好奇心、美意識に訴えるテーマを中心に情報発信しています。2002年11月スタート。

※この記事は、エキサイトイズムより転載しています。


 天井から落ちる泡のようなガラスの照明。厚みのあるガラスの球の中に灯る輝き。そんなアーティスティックな照明が日本に到着した。初お目見えとなるブランド「ボッチ」だ。2005年にカナダのバンクーバーで誕生した、まだ若いブランドだ。発売はスタジオ ノイ

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 世界的にもフランクフルトの「ライト&ビルディング」(建築照明の見本市)、ミラノサローネ期間中に展示を行い、味わいのある光に足を止めた来場者も多かった。ボッチのデザイナーであり、クリエイティブディレクターでもあるオマー・アーベル氏が来日。製造秘話を聞くことができた。

エキサイトイズム オマー・アーベル氏

――ボッチとはどんなブランドですか?

 カナダのバンクーバーを拠点にしたブランドです。照明のブランドというわけではなく、心地よい空間を実現するためのブランドです。だから今後は家具などもコレクションに入ってくるかもしれません。もともと僕は独立したインダストリアルデザイナーですが、カナダの実業家の誘いで、インテリアブランドのクリエイティブディレクションをやってみないか? といわれました。彼は建築とデザインの事業を手がけたいと、ずっと願っていて、そんなとき僕と出会ったのです。

――そのコンセプトはどんな出発点だったのでしょうか?

 北米に暮らしていると、信じられないほどのものが生産され、消費されていきます。産業革命の前は、1つの家庭にものはたった100アイテムしかなかったそうです。それがいまではご覧のとおりです。これからの世の中には、受け継いだもの、長持ちししっかりしたもの、美しく役に立つもの、そして精神的につながりのあるものが必要と考えました。それがデザインの原点です。

エキサイトイズム 「14」4万950円(シェード1個)〜187万9500円(シェード36個)

――新作は光の粒が美しく落ちてくるような照明ですね。

 「14」は空間を光の質量で満たす、というところで考えました。リサイクルガラスを使っています。ひしゃくで水をすくうみたいにガラスをすくって流し込むと、ラフな気泡や不完全なフォルムが出る。直径102ミリのガラスの塊の中に光が乱反射して、落ちる。これは製造過程を見ているうちに着想したものです。ガラスがとろとろに溶けて、空気の層が水中のゆらぎをつくっている。照明器具単品のかたちをデザインしたのではなく、そんな雰囲気をつくるシステムをつくったといえます。

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