自治体レベルではこういった例もある。
リューゲンのミミズ
ドイツ北部、リューゲンでの話。公営サッカースタジアムを改修したが、ピッチ(芝のグラウンド)の排水がうまくいかない。そこで「芝にミミズを放し地中に無数の穴を開ければ排水がうまくいくだろう」ということで、オランダから20万匹の特別なミミズを7036ユーロ(80万円)で購入。しかしながらミミズは地中に潜らず計画は失敗。結局、人工芝に張り替えることになった。一連の作業に約100万ユーロ(1億1300万円)ほどの税金が余計にかかった。
協会長のカール・ハインツ・デーケ氏によれば、無駄遣いの種類と原因は以下の3種類に分けることができる。1つは「計画の不備」、もう1つは「コストの際限ない上昇」、そして「お役所仕事」。無駄遣いの背景にある役人体質を一言で表せば「まあ、他人の金だし」となる。
ドイツ納税者連盟の活動目的は単に連邦・州・自治体の失敗を挙げへつらうことではなく、継続した監視活動により、役所の意識を改革して将来的な税の無駄遣いを少しでも減らすことである。
協会が設立されたのは1949年。協会員数は全国で30万人を超え、税に関する独自の研究所も運営している。税の無駄遣い監視だけでなく、納税に関する協会員の質問に答えたりロビー活動も重要な業務だ。
また連盟のWebサイトには「連邦の借金時計」も掲載されている。これによれば2010年11月14日現在、連邦が抱える借金の総額は1兆7045億ユーロ(193兆円)。借金は毎秒2589ユーロのスピードで増加し、人口1人当たりの借金は2万850ユーロ(236万円)となる。「役所だけに任せてはおけない!」というのが彼らの切実な思いだ。
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