美しい日用品、ドイツの見本市「テンデンス」レポート続編(3/5 ページ)

» 2010年11月15日 08時00分 公開
[本間美紀,エキサイトイズム]
エキサイトイズム

 北欧や東欧の企業に強いのもテンデンスだ。デンマークからはステルトンが参加。アルネ・ヤコブセンがデザインしたポットで知られる。ここではフリッツ・ハンセンの椅子で知られる紺野弘通氏の新デザインが登場した。牡蠣のようなグレーやベージュで中を塗ったボウルは、生き物のようなながれる曲線だ。

 リトアニアの合同ブース「リトアニアンデザインブロック」も登場。

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 東欧はこれまで、ドイツやイタリアの家具の下請け製造業のイメージも持たれていたが、自らデザインし、独自の製品を出していこうという姿勢が感じられた。同じく中国もチャイナデザインを見せる企画ブースを出展。これまで製造に徹していた国が、企画、デザインから製造まで一貫してやっていこうという時代が到来しつつある。

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 若手デザイナーに無料で場所を提供し、アイデア発表の場所とする「タレンツ」では、49組のデザイナーが参加。‘人の行動の本質’を見つめた作品が目についた。

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 たとえばこのパンの器。ダニエル・ローチ氏がデザインしたのは、この器を焼く焼き型。これがデザイン? と思う人もいるだろうが、「アペリティフをつまむときに、パンを一緒に食べる。ならば器をパンでつくれば、面白い」とローチ氏。

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 当たり前の行動を見つめ直し、ごく削ぎ落としたプロダクトを堂々と発表している姿は哲学的でさえある。

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