<NYダウ>11283.10▼73.94
<NASDAQ>2555.52▼23.26
<為替:NY終値>82.5-82.56
前日引け後に発表されたネットワーク機器企業の決算が芳しくなかったことや欧州で金融不安がくすぶっていること、そして中国で金融引き締め懸念が取り沙汰されていることに加え目先的な過熱感も強まっていたことから売り先行となりました。G20首脳会合、特に米中首脳会談での為替問題などを見極めたいという動きなどもあって、手仕舞い売りも嵩み、一時大幅安となる場面もありました。それでも下値では景気回復を期待する値ごろ感からの買いも入り、底堅さも見られました。
懸念事項、懸案事項が多い割りには値持ちが良いといってもいいかもしれません。一部の企業には業績面で懸念が残り、諸手を挙げて買い上がるというような状況ではないのでしょうが、ドル安効果、金融緩和効果に対する期待、FRB(連邦準備理事会)に対する信頼は根強く、依然として基調は強含みと見てもいいものと思います。小売り株や消費関連銘柄に堅調なものも見られ、景気回復の広がりを織り込むような雰囲気は出ているようです。
個別には前日の引け後に発表された決算で売上高見通しが慎重と受け止められ、シスコシステムズが大幅下落、連れてジャビル・サーキットやデル、シマンテックなどが大幅安、アップルやグーグルも軟調となるなどハイテク銘柄が軒並み軟調となりました。欧州の金融不安や資本規制強化問題などから金融株も売られ、JPモルガンチェースやバンク・オブ・アメリカは軟調となりました。原油先物価格が一時2年1カ月ぶりの高値をつけたことから、ハリバートンが大幅高、エクソン・モービルやシェブロンなど石油株は堅調となりました。中国の金融引き締め懸念もあり、インテルは投資判断の引き上げもあって高かったのですが、アルコア、キャタピラーやGE(ゼネラル・エレクトリック)などが安く、景気敏感銘柄は軟調なものが目立ちました。
昨日の日本市場は米国株が堅調となったことや円安に振れたことが好感されて買い先行となりました。ただ、前日まで先週から大きく上昇となっていたこともあり、上値も限定的となりました。外国人は大きく買い越しと伝えられたこともあり、寄り付き前に発表された機械受注が芳しくなかったのですが、上値も重いながらも値持ちの良い堅調な地合いとなりました。G20などで為替の動向が気になり、買い急ぐ動きも売り急ぐ動きもなく、狭い範囲での動きとなりました。
米国市場は債券や為替市場は休場、株式市場は軟調となったのですが、為替は対米ドルでは若干円安となり、底堅い堅調な展開が期待されます。ただ、中国の金融引き締め懸念やユーロが軟調となったこと、米国企業の芳しくない決算や業績見通しなどを見て利益確定売りや手仕舞い売りも見られるものと思います。オプションSQ(特別清算指数)算出は特に影響はないかと思いますが、週末と言うことで持高調整も多く波乱もあるかもしれません。好決算ながらも円高懸念などで売られすぎた銘柄などは底堅い堅調な展開が期待されます。
日経平均は引き続き9800円水準を保てるのかどうかが注目されます。上値は引き続き限られ、9900円水準からは買い上がり難い状況ではないかと思います。対米ドルでは円安となっていることもあり、大きく売られることもないかと思いますが、9800円〜900円水準を上値と見て、9500円〜600円水準の下値を確認するような展開となる可能性もありそうです。9800円水準をしっかりと保てれば、もう一段の円安、あるいは円高にならないと言うような見方になれば、心理的な節目と見られる10000円を抜けて来ることになるのでしょう。
◇株価指数オプション11月物の特別清算指数(SQ)算出
◇10月の発受電電力量(10社合計の速報、電気事業連合会)
◇4−9月期決算:みずほFG(8411)、三井住友FG(8316)、りそなHD(8308)、みずほ信託(8404)、住友信託(8403)、中央三井トラストHD(8309)、横浜銀(8332)、第一生命(8750)、ヤクルト(2267)、丸井G(8252)、マツキヨHD(3088)
◇11月の米消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)
◇海外7−9月期決算:DRホートン
◇海外8−10月期決算:JCペニー
◇7−9月の香港域内総生産(GDP)
◇9月のインド鉱工業生産
◇7−9月期の欧州連合(EU)域内総生産(GDP)速報
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