ディープな「趣味の腕時計」へようこそ――高級時計専門店に聞く「時の記念日」漏刻から最新の電波時計まで(番外編)(2/2 ページ)

» 2010年11月12日 18時00分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]
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男のメカに対する趣味っていうのは、ウンチクの塊だから

――さまざまな種類の腕時計を購入するならば、量販店でもいいと思うのですが、専門店は何が違うのでしょうか?

飯間 時計専門店の店員は、みんな時計マニア。時計を趣味のアイテムとして付き合っていこうと思うのであれば、マニアに話を聞くのが一番の早道になると思います。そもそも、マニアというのはウンチクの話したがりの集まりだしね。

 時計ブランドが歩んできた歴史や商品のコンセプト、こぼれ話なども専門店のスタッフであれば教えられます。そういう話を聞くと、だんだん自分が買った時計に対して愛着がわいてくる。男のメカに対する趣味っていうのは、ウンチクの塊だからこそ楽しい。

 例えば、ワインと一緒かもしれないですね。ただ飲むのではなく、原料のブドウや生産地、生産者のウンチクを聞きながら飲むと味が違って感じられる。ボルドーがこうで、ブルゴーニュがああだからってなってくると、じゃあ、スペインは? イタリアは? 米国は? と興味が広がってくるでしょう。

 時計専門店の常連のなかには、時計を買うということじゃなくて、時計専門店に来ることが楽しくなっちゃって、それこそ毎日雑談をしに来る人もいますよ。

カルティエとG-SHOCKが並ぶ“不思議”な店構え

 アイアイイスズの元々のコンセプトは、時計コレクターのためのお店だった。時計を実際に使うコレクター、集めるのが好きなコレクター、どちらにしても時計を“時間を計る機械”としてだけでなく、趣味のアイテムとして見る人たちが集ってきた。

 自身も高級機械式時計マニアである飯間社長であっても、海や山に出かけるときは実用時計としてG-SHOCKを身に着けるという。

G-SHOCK 実用時計の雄「G-SHOCK」がズラリ

――壱番街店は、入り口の左側にカルティエ、右側にG-SHOCKという店構えでびっくりしたのですが……。

飯間 さっきもいったとおり、お客さんが何を求めてお店に来るのか、それにどうやって応えるのかという視点に立てば、本格的な機械式時計と実用時計とジュエリーが並んでいても、ちっともおかしくないと思います。

 かれこれ20年以上、機械式時計は時代に応じて流行が変わりました。一方で、実用時計の世界ではG-SHOCKというものは常に選択肢に残っているブランドだと思います。ところが、G-SHOCKは取り扱っていませんでした。それは何でだろう? と疑問に思ったんです。自分がほしいと思った時計を販売するのが、アイアイイスズのコンセプトだったはずじゃないかって。

 G-SHOCKを専門に取り扱うコンセプトコーナー「EDGE」は、「G-SHOCKを扱うにしても、僕らのテイストでやりたいよね」という思いを持って2年前にオープンしました。それは、「時計というものを、みんなで楽しもう」というスタイルです。それを世界中から僕らが探し出してきて、提供する。

 G-SHOCKがカテゴリーナンバーワンであることは間違いない。僕らの取り扱う機械式時計にしても、どのブランドもどこかに特徴があり、ナンバーワンであるものを持っています。

 アイアイイスズで売っている腕時計というのは、どのブランドを見ても時計を身に着ける人のライフスタイルに関わるラインアップなんですよ。ファッションの一部としての腕時計。

 時計を趣味にしようと思う人のなかにも、G-SHOCKがほしいと思ってる人は必ずいます。しかし、ズラーッと並べてあるだけでは、どれを選んだらいいか分からなくなってしまう。時計専門店として、腕時計を身にまとうライフスタイルのなかで提案していこうと思っています。

アイアイイスズ アイアイイスズ壱番街店
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