改正貸金業法の施行で、社会問題化することは何ですか

» 2010年11月11日 16時46分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 借入総額を制限する総量規制などを盛り込んだ改正貸金業法が6月にスタートしたが、このことを知っている人はどのくらいいるのだろうか。ネットエイジアの調査によると、全体の80.9%が「知っていた(なんとなくを含む)」と回答していることが分かった。認知率を男女別で見ると、女性の75.3%に対し、男性は86.5%。また借入経験別で見ると、借入経験がない人は74.9%だったのに対し、借入経験がある人は90.4%と15.5ポイントの開きがあった。

(出典:ネットエイジア)

 また改正貸金業法が施行されたことを知っている人に、法律内容で知っていることを聞いたところ「借入総額が年収の3分の1以下に制限される総量規制」(91.3%)を挙げる人が最も多かった。このほか「収入のない専業主婦(主夫)が借り入れを行う場合、配偶者の同意書や年収証明、住民票などを提出すること」(64.6%)、「一定額以上の借り入れでは年収証明が必要になること」(41.0%)と続いた。ちなみに「グレーゾーン金利(利息制限法と出資法の間の金利)の廃止」について知っていた人は28.4%にとどまった。

ヤミ金に流れる人が増える

 借入総額が年収の3分の1以下に制限されることについて、どのように感じているのだろうか。全体の8.8%は「困る(非常に+やや)」と回答した一方で、「困らない(あまり+全く)」としたのは70.1%。ただ借入経験がない人で「困る」としたのは1.9%だったのに対し、借入経験がある人では31.0%にも達した。また現在借入総額が3分の1を超えている人では、59.3%が「困る」と回答した。

 改正貸金業法が施行されたことで、どのような問題が起きると思いますか? 全員に聞いたところ「借りられなくなった人が『ヤミ金』に流れたりする状況が多くなる」(81.1%)と答えた人がトップ。このほか「個人事業主の資金繰りの確保が困難な状況が多くなる」(49.0%)、「自己破産者が増加する」(46.1%)、「消費者金融などの破たんが増加する」(30.2%)と続いた。

緑が合計、赤が現在借入中、黄が過去に借り入れあり、青が借入経験なし(出典:ネットエイジア)

 ネットを使った調査で、20歳以上の男女2000人が回答した。調査期間は10月8日から10月11日まで。

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