景気低迷の影響を受け、2009年の国内時計市場は大幅に縮小

» 2010年11月11日 13時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 矢野経済研究所は11月11日、「国内時計市場に関する調査結果」を発表、2009年の国内時計市場は小売金額ベースで前年比30.9%減の4405億円と大きく縮小したことが分かった。

 分野別に見ると、国内ウォッチ(腕時計)市場は前年比32.3%減の3861億円と3年連続で縮小した。同市場の73.4%(金額ベース)は海外ブランドで、そのうち約85%を占めるスイスの機械式時計を中心とした欧米ブランドの需要減少が影響した。

 矢野経済研究所では「同市場は『ニューリッチ層』『ブランド志向の強い中産階級層』『海外からの富裕層観光客』という新需要を取り込み、2006年をピークに急成長を果たした。しかし、2008年から国内景気が急激に悪化、消費者の買い控えが顕在化し、高級品を中心に需要が激減したことで市場が大幅に縮小した」と分析している。

国内ウォッチ(腕時計)市場規模推移(出典:矢野経済研究所)

 国内クロック(置時計、掛時計、目覚まし時計)市場も、前年比19.2%減の544億円と3年連続で縮小。「国内景気の悪化に伴う個人消費の低下を受け、高価格帯商品の売り上げが大幅に縮小したほか、百貨店・専門店流通の低迷、また、売り上げの6割を占めるという企業記念品などの特注需要・贈答需要が冷え込んだことが大きく影響したと予測する」(矢野経済研究所)

国内クロック(置時計、掛時計、目覚まし時計)市場規模推移(出典:矢野経済研究所)

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