コラム
» 2010年11月11日 08時00分 UPDATE

郷好文の“うふふ”マーケティング:コンビニのパスタが、“モチモチ”している理由を探る (1/3)

「コンビニのパスタはあまりおいしくないのでは」と思っている人も少なくないだろう。しかし実際に食べてみると、モチモチしていておいしいのだ。そこでローソンの開発担当者に、パスタ開発の裏話を聞いた。

[郷好文,Business Media 誠]
yd_go2.jpg 「濃厚チーズのカルボナーラフェットチーネ」(450円)

 私の中ではスパゲティとパスタは違う。もちろんスパゲティはパスタの一種であることは知っている。だが「スパゲティ」というと、なぜか海運王オナシスの逸話を思い出してしまう。「俺のようになりたければ、スパゲティだけを食え」。大富豪になるため、オナシスが食事をする間も惜しんで働いたイメージがついてまわるのだ。

 一方「パスタ」と言われると、垢抜けたイメージがある。白いクロスがかかったテーブルで、大きな皿に上品に盛りつけられ、塊のパルメザンチーズをおろして、「グラッツェ」と言っていただく。一世代前のイメージだと言われればそうかもしれないが、私の中では2つは違う。

 例えばコンビニで売っているのは、どちらかと言えばスパゲティだと思っていた。コシも弾力も乏しい麺、チンして、ひたすら食べる。食べたらすぐ仕事する。それもまた人生だが、このローソンで販売されている「濃厚チーズのカルボナーラフェットチーネ」はパスタだった。

頃合いの良さに感激した

 まずプルンとした半熟タマゴに感動した。容器を揺らすと卵がプルプルする。店頭でレジ袋に入れてもらったときは割れていなかったのに、持ち帰り途中にピュルッと黄身が出た。見事な半熟だった。

 割れて黄身が流れ出る――これは全国共通のようだ。もちろん大量生産品だから、固ゆでとか半熟とかバラバラで売ることは難しい。とはいえ大量生産でも、半熟の頃合いの良さを保っていることに感心した。

 さてオフィスでチンすると、今度はチーズの頃合いに感心した。とろ〜りとろけて、ベーコンにぐっと寄り添ってうまそうなツヤが出ている。しかもチーズは、直前に樹脂シートから落として混ぜるという演出も。ところがフェットチーネに、とろ〜りを滑り落そうとしても、チーズが落ちきらない。

 そこで「もったいない!」という思いを、ローソンの担当者にぶつけてみた。

 「はい、ユーザー様からの『落ちない』『手が汚れる』という声を受けとめまして、10月からのリニューアルではチーズを寄せることにしました」

 そう語るのはパスタ ブランディングプロジェクトチームのリーダー水島史喜さん。米飯・デリカ部でシニア・マーチャンダイザーを務める“パスタの求道者”である。「食べる瞬間まで混ざらないように」という計算を入れて作ったカルボナーラは、コンビニランチ族に支持されるパスタ屋シリーズの看板商品。さらに究めた寄せとは、9月の新製品「チーズチキンのボロネーゼリングイーネ」のソースのように、チーズを片側に寄せて、食べる直前にくるくると混ぜる仕掛けである。

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