米国株高を受けて連日の大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2010年11月05日 16時09分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 日銀の金融政策決定会合は特に材料視されず、昨日は米FOMC(公開市場委員会)の結果への反応は比較的穏やかだったのですが、欧米市場で改めて米金融緩和に市場が反応すると日本でも大きな反応となって、予想以上の上昇となりました。先物主導という場面も見られ、為替はほとんど動きはなく、若干円高気味であっても特に反応することもなく、決算発表にもこれまでと違う反応となって、足元の好業績を織り込むように大幅高となりました。銀行株がストップ安となったことでのヘッジの買いや日銀のETF買取を受けて、ETF組成での持高調整の買いも多かったものと思います。

 Twitterでもつぶやきましたが、今朝の新聞に日本株式市場がドルベースの日経平均で見ると決して他の市場に比べて見劣りがするものではないとの記事がありました。外国人の売買が大半を占める市場なので、外国人目線になるは仕方ないのかもしれませんが、やはり、違うような気がします。ドルが基軸通貨であるからそのような見方になるのでしょうが、外国人投資家といってもドルベースで投資をしている人たちだけではなく、ユーロからの投資も多いと思います。

 円高で日経平均が高いので決して出遅れているわけではないという理屈も、自国の投資家にとっては何の意味もなく、米国内の一般の投資家に比べ、日本国内の一般の投資家が割り負けていることには違いないと思います。実際に日本から米国に投資しても円高で負け、日本国内では株価が円ベースで下落しているので、それで負けるということになります。ここだけ外国人目線で話をしても意味がないと思います。

 要は日本の投資家がどれだけ儲かっているか、日本の企業がどれだけ利益を上げられるかが重要なのではないかと思います。ただ、もしドルベースの日経平均を見て外国人投資家が売り買いをして、高い確率で儲けているのだとしたら、ここのところの外国人の買い越し状況を見ていると、ここから株価が大きく下落することなく、株価の下落以上に円高が進むか、円安のスピード以上に株価が上がるということになります。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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