小林武史が考える、人と環境にやさしい“次世代”デニム「Lee/Kurkku」

» 2010年11月05日 11時00分 公開
[岡田大助,Business Media 誠]

 リー・ジャパンは、小林武史氏のプロジェクトブランド「Kurkku」とコラボレーションした新デニム「Lee/Kurkku」シリーズを発売した。環境や人に優しい次世代デニムを生み出すプロジェクトとは何か?

Lee/Kurkku Lee/Kurkku(出典:リー・ジャパン)

 Lee/Kurkkuの第1弾は、「プレオーガニックコットン」100%の生地を使う。これは、インドコットン農家がオーガニック栽培へ移行するための準備期間(3年)に作られた無農薬、無化学肥料栽培のコットンで、クルックと伊藤忠商事が共同で企画運営を行う「インドコットン農家のオーガニック栽培への移行を支援するプログラム」の一環だ。

 また、通常のデニムと異なり、「INKMAX」と呼ばれる新しいプリント技術を使って、着古した感じを出す。従来のインディゴ染料を使ったデニムに中古加工を施すと、脱色や染色にデニム1本当たり平均100〜150リットルの水とさまざまな化学薬品を使う。INKMAXでは、超ナノサイズの水性顔料インクを用い、水の使用量を10〜15リットルに抑えられる。

 プリント原版は、実際のデニムをパーツ単位に分解してデータ化。ベルトやジッパーの裏部分や裾のユーズド感、綾目、クラッシュなどを忠実に再現する。男性向けは、ストレート、ブーツカット、タイトストレートをラインアップ。ストレートとブーツカットにはクラッシュタイプも用意する。価格は、いずれも1万6800円。

 女性向けは、ボーイズストレート、スキニー、ホットパンツ、ミニスカートを展開。全種類でクラッシュタイプとワッペン付きを含めた3タイプをそろえた。価格は、ホットパンツが1万2600円、ミニスカートが1万3650円、ボーイズストレートとスキニーが1万5750円だ。

 小林武史氏は次のようにコメントしている。「ワークウェアからスタートしたデニムの持つ男性的な側面から見ると、インクジェットでプリントされたデニムは“フェイク”や“本物ではないもの”というイメージがあり、抵抗があるかもしれません。しかし、“染めていないデニム”というまっさらなキャンバスに対して、無限の可能性をプリントできるというクリエイティビティに、ワクワク感を持っています」

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