「おじさん」と呼ばないで誠 Weekly Access Top10(2010年10月23日〜10月29日)

» 2010年11月04日 11時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 先週最も読まれた記事は「武富士破たんから1カ月……現場ではこんなことが起きている」。2位は「村上隆個展『MURAKAMI VERSAILLES』が開幕」、3位は「今の若者と昔の若者に聞く“自動車のイメージ”」だった。

おじさんと呼ばないで

 10月28日に誠 Biz.IDが主催したUstream番組「my Workstyle on Real Time Web powered by Lotus」。池上彰さんをゲストに迎え、ホストの津田大介さんが仕事術などを聞くという内容だったのだが、最大同時視聴数が1700人に迫るなど大きく盛り上がった。同時間帯の日本のUstream中継では、ドラフト会議に次ぐ視聴数だったそうである。

 だが、その中で筆者には気になることがあった。対談後の会場からの質疑応答で、どさくさにまぎれて筆者も質問したのだが、その様子を見て「孫正義さん(53歳)みたいな人が質問している」とツイートした人がいたのだ。孫さんは筆者の好きな経営者の1人ではあるのだが、ピチピチの30歳を自認する筆者としては、20歳以上も離れている人に似ていると言われるのはなかなかショッキングな出来事であった。

 読者の中でも、子どもなどから「おじさん」や「おばさん」と呼ばれて、「まだ若いつもりだったのに」とショックを受けたことがある人は少なくないだろう。筆者も30歳の大台に達し、『サザエさん』のマスオさん(28歳)よりも年上になってしまった。そう思えば世間的にはおじさんと呼ばれても仕方がない年齢である。

 しかし、冷静に考えてみると、もしかするとまだおじさんではないのかもしれないとも思った。なぜなら、結婚や出産の平均年齢が上がっている今、おじさんという言葉の適用年齢も上げるべきではないかと考えるからだ。平均寿命が短く、10代での結婚も珍しくなかった時代なら、20歳でも「おじさん」という言葉は当てはまるだろう。ならば、その逆の現代は、もう少しその基準が緩まってもいいと思うのだ。ベンチャー企業と老舗企業とでは、「若手」の基準が異なっているのと同じである。

 総務省統計の年齢別人口を見ると、1990年時点での30歳以上の人口比率は60.1%。それに対して、2008年時点での30歳以上の人口比率は70.2%。つまり、現代の30歳は昔の30歳と比較すると相対的に若いということ。昔は30歳以上をおじさんと呼んでいたとしても、それと同じように現代でも30歳以上をおじさんと呼んではいけないということである。

 では、1990年時点での30歳は、現代では何歳に当たるのか? そこで、2008年の統計でその年齢以上の人口比率が60.1%を超えるポイントを調べると、その答えは35〜36歳ということになる。まあ、だからといって、30歳の人をおじさんと呼んではいけないということにはならないのだが、「自分はまだ若いんだ!」と主張したい人はこんな怪しい理屈を使ってみてはいかがだろうか。

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