「ものすごい空洞を発見する」デザインタイドトーキョーの会場(2/2 ページ)

» 2010年11月02日 07時50分 公開
[加藤孝司,エキサイトイズム]
エキサイトイズム
前のページへ 1|2       

 適正なたわみ幅と強度を担保するために、鉄板を折り曲げ加工している。鉄板の厚みや大きさも、最適な「たわみ」を現象化させるためにいくとおりかをスタディした。構造は構造家の大野ジャパンが担当した。列柱のマテリアルとしてコンクリートも考えたというが、リサイクルが難しいという点で断念した。会場構成につかわれた膨大の数の鉄板は、会期終了後回収し、リサイクルされることまで考えてデザインしたという。

エキサイトイズム

 中村竜治氏に、今回の会場構成のプランについて話を聞いた。

 「東京ミッドタウン・ホールの空間を何も手を付けずそのまま使っているのですが、その何もない場所にインテリアをつくって、一時だけ違う世界をつくるというより、この空間の奥行きとか高さとかを質感を、そこに鉄板が置かれることによって実感できるようにしています。最初に思ったのが、ミッドタウン自体が高層建築、高密度で、いたるところが使い尽くされている感じがしました。ですが、初めてこの場所にきたときに感じたのは、何もなくて、とても気持ちが良いということです。会場を訪れる人が、その密度のあるなかを通って、ものすごい空洞を発見する。そういう体験をしてもらえればいいなと思います」

スケール的にはインテリアというよりは、建築に近いと思うのですが、建築とインテリアの中間みたいな意識はありましたか?

エキサイトイズム

 「そうですね、あまり意識はしていないのですが、確かにインテリアとか、建築というよりは、その2つのちょうど中間のような感じですね。インテリアにしても建築にしても、普通はもう少しつくりこむような気がするんですね。ただ置くだけといいつつも、鉄板を地面にしっかり設置するために構造物を床に仕込んでいます。具体的には、床に鉄板が仕込んであって、それに2本の鉄板をボルトでしっかりと固定しています。ですので、建築ともいえます」

エキサイトイズム

来場者の皆さんにどのような体験をしてもらいたいですか?

 「鉄板は長さが短いと硬いのですが、これくらい長さがあるととても柔らく、しなります。会場ではBGMとしてワルツを流す予定でいるのですが、会場のところどころで鉄板が揺れて、まるで踊っているような風景が見えると思います。そういうふうな場所を楽しんでもらえればと思っています」

DESIGNTIDE TOKYO 2010

10月30日(土)〜11月3日(水・祝)

Open.11:00〜21:00(最終入場時間 20:30/最終日は17:00閉場)予定

東京ミッドタウン・ホール(メイン会場)都内各所のショップ、ギャラリー、商業施設、美術館など(=エクステンション会場)

入場料:1000円(1日間)


前のページへ 1|2       

Copyright (C) 1997-2014 Excite Japan Co.,Ltd. All Rights Reserved.