WAONやnanacoの普及で、電子マネー利用が3割増

» 2010年10月29日 13時00分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 富士キメラ総研は10月28日、報告書「カード関連ビジネスの現状と将来展望 2010」を発表した。2010年の決済サービス市場を主要カード別に見ると、クレジットカードは前年比2.6%増の30兆5000億円、電子マネーは同31.0%増の1兆9730億円、デビットカードは同2.3%増の9000億円、磁気プリペイドカードは同31.1%減の1650億円と見込んでいる。

 電子マネー市場は、「WAON」(イオンリテール)や「nanaco」(セブン&アイ・ホールディングス)といった流通系の躍進と決済単価の上昇、また、地方での交通系の浸透や地域・会社間相互利用による利便性向上が拡大をけん引。磁気プリペイドカード市場は、半数ほどを占めていたパチンコカードのICカード化が進んでいることから、大幅に減少した。

主要カード決済サービス市場(出典:富士キメラ総研)

 2010年の電子マネーのカード発行枚数(Felica搭載携帯電話端末は含まず)は、前年比15.0%増の4600万枚。2010年までの累計では、1億9100万枚となると見込んでいる。

 富士キメラ総研では、「今後、単年での発行枚数の伸びは鈍化していくものの、利用可能シーンの拡大による利用者数の増加や、電子マネーカードとクレジットカード、キャッシュカード、社員証、学生証など他カードとの一体化、複合化が進むことで、2014年には累計4億枚以上の発行枚数が予測される」とコメントしている。

カード発行枚数(出典:富士キメラ総研)

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