コラム
» 2010年10月28日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:何も語ってくれない人から、コメントをもらう方法 (1/3)

企業取材をしていて「正式発表まで待ってほしい」と言われることは多いが、このまま引き下がっていれば、記者としての商売は上がったり。何も語ってくれない人からコメントを引き出すにはどのようにすればいいのか。ちょっとしたコツをお教えしよう。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『株価操縦』(ダイヤモンド社)、『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 「ノーコメント」「正式発表まで待ってほしい」――。

 企業を取材する際、多くの記者が頻繁に耳にするのが先のような言葉だ。ここ数年、株式のインサイダー取引を防ぐ意味合いからも大企業、特に株式公開企業の新製品や新戦略を巡るガードは強まるばかりだ。だが、発表まで呑気に指をくわえて待っていたら、記者という商売は上がったり。もちろん、抜け道はある。今回の時事日想は、ガードの堅い企業の対処法を紹介する。これは記者だけでなく、一般のビジネスパーソンにも応用可能なクセ玉だ。 

企業だって近親憎悪

yd_aibabook.jpg 相場英雄氏の新刊『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)

 明治、大正の時代から、三菱や住友、三井、安田など日本に財閥が存在し、その傘下に多くの系列企業が存在しているのは多くの読者がご存じだろう。

 太平洋戦争後の財閥解体を経たとはいえ、現在もこうした財閥系企業は定期的にトップが集う会合を開き、グループ内の結束を確認している。また、戦後の高度成長期には非財閥系企業も数多く勃興し、財閥にならって互いに株式を保有し合い、系列を形成してそれぞれが成長を果たしてきた。

 筆者がなにを言いたいかといえば、こうしたグループ企業の存在が、「ノーコメント」連発の取材に有効なことを訴えたいのだ。

 「次期トップは、どうやら◯△さんで本決まりのようですよ」――。

 かつて筆者が某財閥系企業のトップ人事を追っていたときのこと。同じ系列内の他社幹部からこうささやかれたことがあった。

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