消費者心理の改善を示す経済指標などを好感して堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年10月27日 08時44分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11169.46△5.41

<NASDAQ>2497.29△6.44

<為替:NY終値>81.44-81.5

消費者心理の改善を示す経済指標などを好感して堅調

 朝方発表されたS&Pケースシラー住宅価格指数は予想を下回ったものの指数の上昇は続き、午前に発表された消費者信頼感指数が予想を上回って改善したことや消費関連銘柄の好決算発表もあって堅調となりました。金融緩和期待も依然強いのですが、ドル安効果や金融緩和効果も見られ、引き続きセンチメントは上向いて、利益確定売りをこなして堅調な地合いとなっています。ドル安も一服となりましたが、商品相場も底堅く堅調な展開になっており、特に相場の足を引っ張るようなこともありませんでした。

 ドル安効果や金融緩和効果が個人消費の動向にも表れ始めて来たようです。この日の動きを「上値が重い」と見るのか「底堅い」と見るのかも意見が分かれるところですが、目先的な過熱感が出るなかで、企業業績の改善が個人消費の改善に移行して、金融緩和期待も根強いということで、資金の回転は悪くないものと思います。インフレ懸念などドル安の悪影響がどこで取りざたされるのかと言うことなのでしょうが、個人消費に改善が見られるとクリスマス商戦を前にセンチメントはますます上向いてくるものと思います。

 個別には決算で1株利益が予想を上回ったフォードが堅調、自社株買いを発表したIBMも高くなりました。差し押さえ問題なども一段落となり、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど金融株も堅調、アップルは軟調となったのですが、インテルやマイクロソフトは堅調となるなどハイテク銘柄は総じて堅調となりました。鉄鉱石など原材料の上昇で決算が芳しくなかったUSスチールやAKスチールなど鉄鋼株は安く、ドル安一服となってころでアルコアなどは軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場は前日までと同様に円高を嫌気して小動きとなりました。米国市場は堅調、好調な決算を発表するものも多いのですが、円高懸念と円売り介入期待が交錯するような格好で積極的な売り買いに乏しく、持高調整の売り買いも一段落となった格好で目先筋が中心で方向感が見られませんでした。景気底割れ懸念があるわけでもなく、足元の業績は比較的好調と」見られているのですが、為替の動向が見極め切れず、売り買い共に手控え気味となっていたものと思います。

 米国市場は引き続き堅調、特に米国内需の改善が見られ、ドル安一服となったことから、日本市場も堅調な展開が期待されます。為替動向などを気にしながら小動きとなっていましたが、円高一服となったことなどから買戻しも期待されます。決算発表が続々と行われているなかでも円高の影響を多分に大きく見ており、慎重な決算となっているようですが、内需銘柄にも好調な決算を発表するものもあり、新興国の経済拡大の恩恵を受けるようなハイテク銘柄などに加えて、出遅れ感から物色されるのではないかと思います。

 日経平均は引き続き9200円〜300円水準を下値に9500円〜600円水準までの戻りを試す段階だと思われます。好調な決算が見られるだけに、円安方向に振れるようであれば9500円〜600円水準を抜けることになるものと思います。逆に言えば円高懸念が残るうちは好決算などに反応しながらも上値の重い展開が続き、9500円〜600円の節目は抜け切れないと言うことになりそうです。

本日の注目点

◇2年物国債〔11月債〕入札

◇4−9月期決算:新日鉄(5401)、富士通(6702)、ルネサス(6723)、JR東海(9022)

◇1−9月期決算:キヤノン(7751)

◇5年物米国債入札

◇9月の米耐久財受注額

◇9月の米新築住宅販売件数

◇ダドリー・ニューヨーク連銀総裁講演

◇海外7−9月期決算:プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、コノコフィリップス、ビザ

◇7−9月期の韓国国内総生産(GDP)速報

◇7−9月期の豪消費者物価指数(CPI)

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