住宅指標が予想を上回ったことが好感されて堅調清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2010年10月26日 08時40分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>11164.05△31.49

<NASDAQ>2490.85△11.46

<為替:NY終値>80.8-80.86

ドル安効果、金融緩和効果期待に加え、住宅指標が予想を上回ったことが好感されて堅調

 朝方発表された中古住宅販売が予想を大きく上回ったことで景気回復鈍化懸念が後退、一方でG20会合後も引き続きドル安が進んでいることを好感する動きや金融緩和期待も根強く、買い先行となりました。大きく上昇する場面では利益確定売りもあり、上値も限定的となりましたが、企業業績に対する不安も薄れ堅調な地合いが続いています。世界的な通貨安、金融緩和競争の先頭を走っていることで、景気回復スピードの加速も期待されているものと思います。

 通貨安政策が各国から非難されつつも功を奏しているようです。加えて金融緩和効果もはっきりと表れてきていることに加え、なおかつ金融緩和に対する期待が株価の下支えとなって堅調な地合いが続いています。今後はドル安効果や金融緩和効果を織り込みつつ、景気回復、企業業績回復の後の動きを見ていくことになるのでしょう。商品相場も堅調な地合いが続いており、いずれインフレ懸念などが取りざたされてくるものと思います。

 個別には好決算を発表したオフィス・デポが大幅高となるなど決算発表に敏感な反応となり、商品相場が堅調なことから、アルコアなどの素材株が堅調、ドル安効果での業績回復が期待されるキャタピラーなども高く、住宅差し押さえ問題などからバンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースは軟調となりましたが、「強い買い推奨リスト」に採用されたシティグループは堅調となりました。投資判断の引き下げのあったマイクロソフトは軟調となりましたが、インテルやIBM、決算発表を控えたテキサス・インスツルメンツ(TI)などハイテク銘柄は総じて堅調となりました。TIの引け後発表された決算は携帯電話用半導体などを中心に半導体需要が伸び、好調な決算となりましたが、時間外取引では利益確定売りに押されて軟調となっています。

本日の相場

日経平均

 昨日の日本市場はG20会合で何も決まらなかったことなどから様子見気分が強く方向感のない展開となりました。外国人も売り越し基調ということで上値も限定的となりましたが、一方で円高が進んだにもかかわらず大きく売られることもなく、指数は狭い範囲での動きとなりました。好決算に反応するもの、しないものなどありましたが、総じて反応は鈍く、持高調整の売り買いが中心となって、指数の方向感は見られませんでした。

 米国市場は堅調ですが今の相場では米国市場に連動するというよりは為替動向をにらみながらの展開となるものと思われ、一段と円高が進んでいることを考えると上値の重い軟調な展開となるものと思います。円売り介入でもあれば一気に水準訂正となるのでしょうが、日本企業に犠牲を強いて、米国企業が儲かっているような図式でもあり、個別には決算動向に反応しながらも市場全体としては為替動向に振らされることになりそうです。

 引き続き指数は小動き、個別の動きとなりそうです。円高が一段と進んでいることで、業績に対する懸念から売りが嵩むようであれば、9200円〜300円水準の下値の節目を試すことになりそうです。上値は9500円〜600円水準が節目となっており、円売り介入などで為替が落ち着くことがなければ、抜けるのは難しくなっていると思います。為替が一段と円高に振れるようであれば、好決算を発表しながらも先行きに対する懸念が強まり、指数ばかりではなく、個別の株価も下値を試すものも多くなって来るのでしょう。

本日の注目点

◇9月の企業向けサービス価格指数(日銀)

◇4−9月期決算:花王(4452)、日電硝(5214)、日立金(5486)、日立建機(6305)、日電産(6594)

◇2年物米国債入札

◇8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数

◇10月の米消費者信頼感指数

◇海外7−9月期決算:フォード・モーター、USスチール、デュポン

◇ダドリー・ニューヨーク連銀総裁講演

◇9月の香港貿易統計

◇7−9月期の英国内総生産(GDP)速報

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