コラム
» 2010年10月26日 08時00分 UPDATE

「努力は報われる」という教育が日本をダメにする (1/2)

うつ病や自殺未遂のカウンセリングを始めて15年が経つという筆者。「努力」というイメージの持つ功罪について、うつ状態の人も、うつ状態の部下がいる上司の方にも、そして家族の方々にも考えてほしいと主張する。

[荒川大,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:荒川大(あらかわ・ひろし)

株式会社ENNA代表取締役。「人的リスクマネジメント」をキーワードとして、内部統制対応の人事コンサルティング、IT統制対応の人材派遣、メンタルヘルスのカウンセリングを提供している。


「努力が報われる」というフレーズは、いろいろなところで、いろいろな人たちが話している一般的な言葉です。義務教育でも高校受験や大学受験、部活やサークルなど、ひいてはテレアポや飛び込み営業などがメインになっている会社でも「努力は報われる」と言われることがあります。

言葉の意味を振り返って

 さて、では質問です。

 努力している人が好きですか?

 努力しているだけで結果が出ていない人が好きですか?

 努力しているように見えて結果が出ていない人が、自分より給料が高くても我慢して笑顔でいられますか?

 「努力が報われる」という言葉の魔力はとても重要です。カウンセラーの中にも「言霊」といったフレーズと一緒に使っている人たちもいます。私は言霊は信じていませんが、言葉が持つ「イメージのチカラ」は大きいと思っています。

 では、人生の中で「努力が報われたこと」はどれだけあるのでしょうか?

 社会人は、努力する途中の人と、自分に役立つ成果を出す人のどちらを評価するのでしょうか?

実生活から考える「努力」

 うつ状態にある方々へのカウンセリングを通して感じること。それは「努力が正当に評価されていないことへの不満」を強く抱えているということです。

 そう、努力という主観的なものを、他人に評価されたい(主観的な)欲求によって判断しようとしているため、時間をかけ続けても、結果的には「誰にも理解してもらえない」という思いにしかならないわけです。

 この思いの背景にあるものの1つが「努力は報われるべきもの」という主観なのです。

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