コラム
» 2010年10月20日 08時00分 UPDATE

新人に「自立」「自律」を求めている場合ですか? (1/2)

新入社員に「自立」「自律」が大切だと説く企業は少なくない。しかし、組織において今、誰が最も自立すべきか、自律が求められているかを考えるべきではないだろうか。

[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 新入社員に求めたいこと、期待することを、彼らを受け入れる経営者や人事部門に尋ねると、一番多い回答は恐らく「自立」とか「自律」とかになるのだろうと思います。

 誰かの支えや保護がある前提ではなく、自分の力で人生や生活や仕事に取り組み、成り立たせていくこと、また、人に言われるまでもなく自分で考えて、自ら判断して主体的に行動してほしいといった期待です。確かに、ここのところは学生時代と違うと言えばそうでしょうから、そう期待をするのも分かりますが、「自立していない、自律性がないのは新人だけだろうか」と考えます。

 経営陣として自立・自律が不十分な役員、部門を預かる立場として自立・自律が足りない部門長や管理職というのもよくある話で、そのあたりを自覚してもらうことをテーマとした研修を行うことが、だからよくあります。研修のセオリーとして、昇格したてのころ、新任と言える間にしっかり教育する、という方法が広がっているのもそれ相応の自立・自律を促すことがまずは大切だと考えられるからです。

 先輩になったら、管理職になったら、幹部になったら、経営陣になったらその立場にふさわしいレベルの言動が求められるわけで、新入社員もそれらのステップの中の1つに過ぎません。

 立場や環境や期待が変化した時には、誰だって新しいレベルの自立度、自律性が求められます。しかしながら、それに気付かず、何も変わらないままに偉くなってしまったという人がたくさんいて、最近の新入社員のことを「自立していない」「自律性がない」という声をやたらに聞くわけですが、「若者のことを言っている場合か?」と自問すべきでしょう。

 いや、経営として、組織としての緊急性・重要性を考えれば、どっちにより自立してもらいたいかは明らかであって、幹部の自立していなさ、自律度の低さに悩む多くの経営者も「新入社員たちのことを言っている場合か?」と感じているのではないかと思います。

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