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» 2010年10月22日 20時00分 UPDATE

-コデラ的-Slow-Life-:想像以上に壊れていたDial35

シャッターを直したら、絞りがおかしい。絞りを直したら、レンズがおかしい。1500円で購入したDial35は、安かった分だけ苦労の種が仕込まれているようだ。

[小寺信良,Business Media 誠]

 当面の原因と思われるシャッターの張り付きは、洗浄でなんとかなった。シャッターユニットを組み立てて本体に組み込み、様子を見てみる。

 シャッターはうまいこと動いているが、今度は絞りがうまく動いていない。シャッターボタンを押すとバネが引っ張られ、その縮む力で絞りが閉じるわけだが、どうも途中で引っかかってから閉じる。これでは絞りが閉じきる前にシャッターが切れてしまう。

 しょうがないので、もう一度分解である。絞りはシャッターのさらにその先にあるので、もう一段深く分解する必要がある。シャッターと絞りを隔てている円盤を外すと絞りが見えてくる。

コデラ的-Slow-Life 絞りの動きもおかしい

 写真でも分かるが、絞りの羽根に妙な模様が見える。これは何か揮発性の液体、例えばアルコールなどが中に入って蒸発した跡である。前の持ち主が絞りを外部から洗浄したのだろう。

 これも1枚ずつはがして、きれいに洗浄し直した。ごらんのように4枚の羽根が互い違いに重なっているので、組み立ては時計回りに羽根を乗せていき、最後の1枚を初めの1枚の下に入れる必要がある。

 ただし、指で触ると油が付くので、ピンセットだけで作業する必要がある。この羽根を下に入れる作業が一苦労だ。最初は手袋で作業しようとしたが、ちょっと無理だった。

フォーカス調整するも……

 さて、絞りとシャッターが何とかなったので、あとは外してしまったレンズを元に戻す。ヘリコイドからレンズユニットを外したので、もう一度無限遠でフォーカス調整が必要である。

 バルブモードがあるカメラならば、シャッターを開けっ放しにできるので無限遠調整も簡単だが、Dial35にはバルブモードがないので、強制的にシャッターを開けておく必要がある。

 こういうカメラでいつもやる手は、シャッターをピンセットで開けて、間につっかい棒を挟むという方法だ。今回は使い終わったQUOカードがあったので、その端っこをちょっと切って縦に挟むことにした。

コデラ的-Slow-Life シャッターを開放にするために、QUOカードの切れっ端を挟む

 あとで調べて分かったのだが、Dial35ではこんなことをしなくても、前面から見える小さなレバーを挟んで固定することで、開きっぱなしにできるそうだ。

 後ろに、フィルム代わりの半透明の幕を張る。フィルムの現像に出すと短冊状のスリーブに入れてくれるわけだが、その半透明のところをフィルムサイズに切って、両面テープでくっつくようにしたものである。先日クリップで留められるルーペを買ったので、この作業もだいぶ楽になった。

コデラ的-Slow-Life 半透明の幕をフィルム面に張り付けると結像する

 さて、一応無限遠でフォーカスを合わせてみたのだが、どうも見え方がおかしい。フォーカスの山がうまくつかめないのだ。周辺が激しく光量落ちしているだけでなく、周囲が流れてしまっている。やれやれ、どうやらレンズにも問題があるようだ。

コデラ的-Slow-Life 中央部はフォーカスが合うものの、周辺部がおかしい

 有志が公開してくださっているDial35のリペアマニュアルを見ながら、レンズを分解して比べてみる。

 枚数は合っているようだが、どうも真ん中にある2枚の張り合わせレンズのうち、1枚が裏返しに付いているようだ。これも誰かがレストアしたときに、逆向きに付けてしまったものだろう。ついでにレンズも全部ばらして、きれいにクリーニングしておく。

 今回のDial35は、中古で1500円で購入したものだが、やはり安かった分だけ苦労の種が仕込まれているようだ。人生そんなに甘くない。

小寺 信良

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映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作はITmedia +D LifeStyleでのコラムをまとめた「メディア進化社会」(洋泉社 amazonで購入)。


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