持高調整の売りも嵩んで軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年10月15日 16時18分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9500.25円 ▼83.26円
売買高 18億9230万株
日経平均先物 9520円 ▼50円
売買代金 1兆2784億円
TOPIX 826.38 ▼10.57
値上がり銘柄 239銘柄
東証マザーズ指数 346.08 ▼7.09
値下がり銘柄 1350銘柄
日経ジャスダック平均 1161.01円 ▼3.55円
変わらず 78銘柄
騰落レシオ 88.10% ▼2.63%

日経平均

昨日の大幅高の反動や円高を嫌気して売りが先行、持高調整の売りも嵩んで軟調

 米国市場は軟調ながらも底堅く、商品相場も堅調でしたが、円高が進んだことやいっこうに介入も見られないことが嫌気され、昨日の大幅高の反動もあって売り先行となりました。それでも、持高調整の買戻しが続いていることや米国市場の引け後に発表された半導体銘柄などの決算好調、時間外取引で買われていたこともあり、底堅さも見られました。円高に振れると手仕舞い売りが嵩んで大きく下落する場面もありましたが、逆に持高調整の買戻しもあって9500円の節目を割り込むところでは底堅さも見られました。

 後場も昨日と同じ様に円高となる場面で買戻しが入り、下げ幅縮小という場面もありましたが、昨日とは違い週末の手仕舞い売りやヘッジ売りもあって、持高調整の売り買いが中心となるなかで再度下げ幅拡大となりました。期待された介入が結局見られなかったことで、手仕舞い売りを急ぐ向きも多かったものと思います。特に材料が出たというわけでもなく、昨日の大幅高も本日の下げも目先の需給要因、持高調整の売り買いで指数が、相場全体が振り回されたということなのだと思います。株式市場の方向性も、決算を見てから、為替の落ち着きどころを確認してから、ということになりそうです。

 小型銘柄も見切り売り、手仕舞い売りに押されて軟調となるものが多く見られました。東証マザーズ指数は見切り売りが嵩んで大幅下落、日経ジャスダック平均も買い気に乏しいなかで見切り売りも限定的となっており、軟調というに止まりました。先物は朝方からまとまった売り買いが散発的に見られましたが、目先筋の売買が中心と見られ、方向感の見られるような場面はほとんどありませんでした。まとまった売り買いが出ても追随する動きもありませんでした。

 政府高官の「断固たる措置を取る」などという威勢の良い言葉は聞こえてくるのですがいっこうに為替は円高が止まりません。円相場のレベル感がつかめないことから、企業業績の見通しも立て難く、どうしても円高メリットのある銘柄は円安方向に振れるとして、円安メリットのある銘柄はこのまま円高が進むと考えて見通しを立てることしが出来ず、なすすべがないということなのだと思います。円安を好感する動きで対処していれば円高が進むと考えてヘッジをしなければならず、円高方向に進むと考えていても介入のことを考えれば円安へのヘッジもしなければならず、結局は目先の需給に右往左往するしかないということなのでしょう。米国や中国のように「通貨安政策」を取るのであれば徹底して行うべきなのではないかと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 転換線にサポートされてはいるのですが、遅行線が雲の中でうごきているような感じです。RSIもストキャスティックスも方向感はなく、落ち着くまでは転換線に絡みながら、基準線にサポートされながらのもみ合いが続きそうです。落ち着いてくればもみ合いを放れて来るのだと思います。

TOPIX

NYダウ

 遅行線が日々線に絡みながら、日々線は雲の中での動きが続いています。引き続き狭い雲の中で右往左往するのでしょうが、RSIやストキャスティックスが落ち着いて来るか、遅行線が日々線にサポートされながら上値を試すことになるのでしょう。

円相場

NYダウ

 依然として下値を試す動きが続いています。モーメンタムとしては史上最高値を更新するような勢いですが、目先的には売られ過ぎとなっており、介入警戒感もあって底堅さも見られます。RSIやストキャスティックスは底値に張り付いた状態となっており、介入が無くても自立反発となってもいいところだと思います。

銘柄ピックアップ

昨日同様、持高調整の売り買いが中心

川崎船(9107) 321 △5

 2010年4−9月期の連結経常損益が従来予想を上回り、通期見通しを引き上げると見られると新聞で報じられ、好感した買いが入り堅調となりました。

エルピーダ(6665) 892 △22

 米国で半導体株が好調な決算を発表した買われたことや2011年中を目処に国内拠点を高機能携帯電話(スマートフォン)やタブレット端末など携帯情報端末向け半導体の専用工場にすると新聞で報じられ、生産の効率化につながるとして買われ、堅調となりました。

松 屋(8237) 485 △67

 昨日の引け後に2011年2月期の最終黒字が従来予想から倍増となると発表、三越銀座店の増床も悪影響ではなく好影響となったことから連結売上高や経常損益でも上方修正となったことが好感され大幅高となりました。

ミツミ(6767) 1345 ▼2

 昨日の引け後に2011年3月期の連結最終損益が従来の黒字予想から一転して、赤字となると発表、今期2回目の下方修正ということで改めて売り直され、最後は買戻しも入り軟調でしたが、一時大幅下落となりました。

東洋炭素(5310) 4605 △135

 発光ダイオード(LED)などの製造に使う黒鉛製品を増産すると新聞で報じられ、連結利益見通しを大幅に上方修正したばかりということもあり、好材料に敏感な反応となって堅調となりました。

伊藤忠(8001) 772 ▼19

 米国で地中の岩盤層から原油を取り出す事業に参画すると新聞で報じられたのですが、特に材料視されず、ここのところの上昇の反動、週末の手仕舞い売りに押されて軟調となりました。

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