羽田から世界へ、羽田国際化による新しい旅のカタチ秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(4/4 ページ)

» 2010年10月15日 08時00分 公開
[秋本俊二,Business Media 誠]
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羽田国際化が可能にする新しい旅のカタチ

 都心から海外へ旅立てたら、どんなに便利か。多くのビジネスマンや旅行者が抱いてきたそんな思いが、ついに実現する。首都圏に住む人の3分の2は、成田より羽田のほうが近い。特に神奈川県や都内の城南地区で暮らす人にとっては、羽田国際化の恩恵は大きいだろう。

 例えば、羽田からロサンゼルスやホノルル、バンクーバー、パリなどへ向かう便は、いずれも夜行便だ。これなら会社が終わってから一度自宅に戻り、スーツを普段着に着替えてから出発するというのも可能になる。

 羽田の国際線新ターミナルのオープンは、D滑走路の供用開始と同じ10月21日。国際チャーター便という形で現在運航しているソウル、香港、上海、北京への路線もこの日を境に新ターミナルへ移行する。そして10月31日には、欧米や東南アジアなどに新たな路線が就航し、まずは10カ国17都市へのゲートウェイとして機能し始めるのだ。

 北米からはアメリカン航空とデルタ航空、エア・カナダ、そして新たに日本就航を果たすハワイアン航空が、欧州からはブリティッシュ・エアウェイズが羽田就航を決めた。アジア勢ではすでに国際チャーター便として乗り入ている大韓航空、アシアナ航空、中国国際航空、中国東方航空、上海航空のほか、エバー航空、チャイナエアライン、キャセイパシフィック航空、シンガポール航空、タイ国際航空、マレーシア航空、そして初就航のエアアジアXが羽田線を開設(関連記事)する。

 羽田と世界がつながる日へのカウントダウンは、すでに始まった。新規路線が就航する10月31日には、いずれかの便に乗ってここから実際に海外へ向かい、羽田国際化が可能にする新しい旅のカタチについてこの連載で改めて報告しよう。

世界の空へ フードコートなどのダイニング施設も充実

著者プロフィール:秋本俊二

著者近影 著者近影(米国シアトル・ボーイング社にて)

 作家/航空ジャーナリスト。東京都出身。学生時代に航空工学を専攻後、数回の海外生活を経て取材・文筆活動をスタート。世界の空を旅しながら各メディアにレポートやエッセイを発表するほか、テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活動。

 著書に『ボーイング777機長まるごと体験』『みんなが知りたい旅客機の疑問50』『もっと知りたい旅客機の疑問50』『みんなが知りたい空港の疑問50』『エアバスA380まるごと解説』(以上ソフトバンククリエイティブ/サイエンスアイ新書)、『新いますぐ飛行機に乗りたくなる本』(NNA)など。

 Blog『雲の上の書斎から』は多くの旅行ファン、航空ファンのほかエアライン関係者やマスコミ関係者にも支持を集めている。


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