買戻しを交えて大幅高清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年10月14日 16時14分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9583.51円 △180.00円
売買高 21億7563万株
日経平均先物 9570円 △160円
売買代金 1兆5333億円
TOPIX 836.95 △14.30
値上がり銘柄 1157銘柄
東証マザーズ指数 353.17 ▼1.68
値下がり銘柄 377銘柄
日経ジャスダック平均 1164.56円 ▼1.45円
変わらず 122銘柄
騰落レシオ 90.73% ▼2.74%

日経平均

米国株高や商品相場高が好感されて買われ、買戻しを交えて大幅高

 米国市場が堅調となったことや特に商品相場が堅調となったことなどから買い先行となりました。外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられたこともあり、寄り付きの買いが一巡した後も円高にもかかわらず大幅高となりました。円高というよりはドル安という展開であったことも、輸出銘柄を売り急ぐ動きもなく、債券や為替、株式先物などが絡んでのファンド筋の持高調整も見られたようで、特に材料のない銘柄も含めてほぼ全面高となりました。

 後場も一段と円高が進んだのですが、特に嫌気されることもなく持高調整の買戻しなどが続き値持ちの良い展開となりました。対アジア通貨でのドル安ということで、アジアへの輸出に関しては影響は少ないということで売り急ぐ動きもなかったのではないかと思われますが、持高調整の売り買いが主体となるなかで、債券などとの絡みもあって、株式を買い戻す動きが出ていたのではないかと思います。結局大幅高となりましたが、特に何が買われたということもなく、先行きに対する懸念が残るものとなりました。

 小型銘柄は主力銘柄が買い戻し主体で上昇するなか円高を嫌気する動きなどから軟調となりました。見切り売りも多く東証マザーズ指数も日経ジャスダック平均も軟調となりました。先物は朝方から為替や債券などに絡みながらまとまった売り買いが見られ、指数を押し上げる要因にもなりました。先高期待というよりは持高調整に絡むヘッジの買いや買戻しが主体であったものと思われます。

 これだけ円高(というよりはドル安)が進む中で介入もなく株式指数も大幅高となりました。円高でダメージを受けそうな銘柄まで買われるところを見ると持高調整の買い戻しが中心となっていたものと思います。ファンドの決算で毎年この時期は波乱含みなのですが、11月末の決算のファンドの「45日ルール」のための持高調整が多いということではないかと思います。一昨日の大幅下落や昨日の上値の重さ、そして今日の大幅高と外部要因や海外動向に関係のない動きとなっており、まとまった売り買いが出たという目先の需給要因だけの動きではないかと思います。先行きの動向を左右するようなことではなく、一過性のものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲にサポートされて基準線を意識して反発となった格好です。RSIも中途半端な位置からの反発、ストキャスティックスも下げ足りず下値余地のあるなかでの反発となっており、まだ基準線や雲のサポートを確認するような場面もあるものと思います。いったん下値を確かめる動きになって来るものと思います。

TOPIX

NYダウ

 雲の下限にサポートされて雲の上限まで、基準線の水準まで戻りを試す動きとなりました。遅行線も日々線にサポートされての反発となっており、底堅さは見られるものと思いますが、RSIもストキャスティックスも下げ足りず、まだ雲の下限でのサポートを確認するような場面はあるものと思います。

円相場

NYダウ

 底堅さも見られるのですが反発のきっかけがないという感じで上値も重くなっています。RSIもストキャスティックスも底値に張り付いており、反騰のきっかけ待ち、と言うことなのだと思います。少なくとも転換線までの戻りは十分に期待されますが底入れ感が出るにはもっと時間はかかるものと思います。

銘柄ピックアップ

円高にも関わらずほぼ全面高

セコム(9735) 3830 △45

 新興国の富裕層などを日本に呼んで健康診断などのサービスを提供する医療ツーリズム事業に参入すると新聞で報じられ、業容拡大を期待する買いが入り堅調となりました。

ソニー(6758) 2640 △51

 米国株が堅調、為替も対ユーロでは円安となったことに加え、「インターネットテレビ」を米国で発売すると新聞で報じられたことが好感されて買われました。

ヤフー(4689) 30600 △1830

 米ヤフーが買収の対象とされていると海外メディアが報じたことから、米ヤフー株が上昇、連想から日本のヤフーにも買いが入り、大幅高となりました。

津田駒(6217) 132 ▼10

 昨日の引け後に2010年11月期通期業績予想を下方修正、円高や価格競争激化で採算が悪化、従来予想よりも赤字が拡大すると発表したことが嫌気されて大幅安となりました。

横河電(6841) 573 ▼26

 2010年4−9月期の連結営業損益が従来予想に比べて黒字幅が拡大したもようだと新聞で報じられましたが、特に材料視されず、昨日の上昇の反動や円高を嫌気する動きから売られ、大幅安となりました。

丸 紅(8002) 537 △16

 海外で非鉄金属や穀物などが上昇していることが好感されて商社株が全般的に買われ、同社もLNG(液化天然ガス)輸送船事業に参入すると新聞で報じられたこともあり大幅高となりました。

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