介入期待も空振りに終わり、円高を嫌気して大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年10月12日 16時45分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9388.64円 ▼200.24円
売買高 18億9360万株
日経平均先物 9400円 ▼180円
売買代金 1兆4458億円
TOPIX 824.60 ▼14.84
値上がり銘柄 79銘柄
東証マザーズ指数 360.04 ▼7.25
値下がり銘柄 1540銘柄
日経ジャスダック平均 1168.48円 ▼3.38円
変わらず 37銘柄
騰落レシオ 97.63% ▼12.64%

日経平均

介入期待も空振りに終わり、円高を嫌気して大幅下落

 3連休中の米国市場が堅調となったことや円高に振れたものの介入期待もあって円高一服となり、買い先行となりました。週末のヘッジ売りの買い戻しや外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)も買い越しと伝えられたことから、寄り付きの買いが一巡した後も堅調となりました。ただ、為替は介入期待もあって円高一服となった感はあるものの介入もなく、じりじりと円高に振れたことを嫌気して売られ、軟調となりました。節目と見られる9500円水準では底堅さも見られましたが、円高を嫌気する動きが根強く、冴えない展開となりました。

 昼の時間帯も為替がじりじりと円高に振れ、株価が大きく下落してもいっこうに介入の気配もないことから、円高が進み株価も見切り売りが嵩んで大幅下落となりました。9500円の節目を割り込んで下値を試す動きとなり、安値水準で小動きとなりました。その後は為替の動きも止まり、手掛かり難の中、方向感のない展開となりました。為替も落ち着かず、足元の業績は決して悪いものでもないのでしょうが、円高の影響などの先も見えず、買い手控えられて見切り売りに押されました。

 小型銘柄も見切り売りに押されるものが多く軟調となりました。買い気の乏しい相場で東証マザーズ指数は大幅安、日経ジャスダック平均も軟調となりました。先物は朝方はヘッジ売りの買戻しが入りましたが、その後は散発的にまとまった売りが見られ、指数を下押す場面もありました。ただ、追随する動きも限定的で、下押す場面もそう多くはなく、先物主導と言うことでもなかった感じです。円高になるとまとまった売りが出て、まとまった売りが出ると円高になり、まとまった買いが入ると円安に振れ、円安になるとまとまった買いが入るという場面もありました。

 相変わらず為替動向を気にしながら指数が動き、個別の物色は散見されるものの業種別にどうの、とかテーマに沿った買いなどというものは見られません。為替がこれだけ円安デメリットが取り沙汰される一方で、円高メリットを取り沙汰する動きも少なく、海外通貨安のおかげで、商品相場が堅調となっていることも、円高の影に隠れて材料視されることも少ないような感じです。政策も円高容認とも取れるような格好ですがそれも特に材料視されることもなく、手掛かり難となっています。円高容認と言うのであれば、円高のメリットをもう一度考えて見てもいいのかもしれません。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 雲の中まで一気に調整となりました。基準線を意識して下げ止まりましたが、まだRSIもストキャスティックスも高値圏からの調整が始まったばかりで、調整が続きそうです。基準線にサポートされて、雲の上限にサポートされるように底堅さは見られるのでしょうが、調整は続くものと思います。RSIやストキャスティックスが落ち着けば、底堅さを確認して反発となるのでしょう。

TOPIX

NYダウ

 雲を抜けかかっていたものが逆に雲の下限のサポートを確認するような展開となりました。遅行線も日々線のサポートを確認するように下落となり、調整が続いているということなのでしょう。RSIやストキャスティックスも下値余地はあり、下落が続いており、ここから下値を探る展開となって来るのでしょう。

円相場

NYダウ

 安値更新となっています。RSIもストキャスティックスも底値圏にあり、いつ反発となってもおかしくはないところです。底堅さを確認して反発となっており、ここでもう一段の上昇となると戻りを試す展開となるのだと思います。いったんは基準線水準までの戻りを期待したいところです。

銘柄ピックアップ

引き続き為替に振らされる展開

トヨタ(7203) 2851 ▼44

 連休中の米国市場が堅調となったことや円高一服となったこと、またヘッジ売りの買戻しもあって買い先行となりました。世界的な景気回復期待もあり、売り急ぐ動きは無いのですが、円高に振れると収益悪化を嫌気した売りに押されて軟調となりました。

東  レ(3402) 463 ±0

 年内に自動車大手に自動車ボディー用の炭素繊維の供給を始めると新聞で報じられ、炭素繊維需要の拡大が収益に寄与するものとして好感されて堅調となりましたが地合いの悪さに上値も押さえられてしまいました。

JR東海(9022) 637000 △10000

 為替に振らされる相場の中で、為替の影響を受け難い、収益の安定している銘柄として注目されここのところ、持高調整の売りに押されていたことの反動から堅調となりました。外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことも要因と思われます。

良品計画(7453) 3030 △166

 先週末に2011年2月期の連結営業利益の下方修正を発表、ただ、市場予想通りであったことや同時に自社株買いを発表したことが好感されて買われ、大幅高となりました。

ファーストリテイ(9983) 11180 ▼1210

 先週末に2011年8月期の連結営業利益が前期比14%減となる見通しと発表、減益になるのは4期ぶり、先行きへの懸念が増大し売り気配から始まり、大幅安となりました。

ファナック(6954) 10760 △110

 円高を嫌気してほぼ全面安となるなかで、特に材料があったわけでもないのですが、堅調となりました。先週末にかけて持高調整の売りに押されて大きく下落していたことから、買戻しや値ごろ感からの買いが入ったものと思われます。世界的な景気減速懸念が薄れたことも買戻しを急がせたものと思います。

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