持高調整の売り買いが中心で方向感のない展開清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2010年10月08日 16時03分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 9588.88円 ▼95.93円
売買高 19億7217万株
日経平均先物 9580円 ▼110円
売買代金 1兆5079億円
TOPIX 839.44 ▼6.62
値上がり銘柄 493銘柄
東証マザーズ指数 367.29 △0.44
値下がり銘柄 1066銘柄
日経ジャスダック平均 1171.86円 ▼1.73円
変わらず 102銘柄
騰落レシオ 110.27% ▼4.69%

日経平均

米国株も相変わらず方向感はなく円高、重要なイベントと指標の発表を控えた3連休前の週末ということで持高調整の売り買いが中心で方向感のない展開

 米国株は前日に続き方向感なくまちまちの展開となりましたが、円高が進んだことやオプションSQ(特別清算指数)算出に絡む売りもあって売り先行となりました。それでも、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が買い越しと伝えられたことや株価指数算出の浮動株比率算出に絡む売り買いなどもあって底堅い展開となりました。ただ、米国雇用統計やG7を控えた3連休前と言うことで、積極的な売り買いには乏しく方向感のない展開となりました。

 後場も引き続き方向感のない展開となりました。寄り付きから買戻しが優勢となり下げ幅縮小となる場面もあったのですが、持高調整の売り買いが中心となって、上値を買い上がる動きもなく、物色対象もはっきりとせず、戻りも鈍く冴えない展開は続きました。為替も大きな動きはなく、円高傾向は変わらず、売り買いの材料に乏しい状況でした。最後は手仕舞い売りに押されて下げ幅拡大となる場面もありましたが、売られていたものが買われ、買われていたものが売られるようなところもあり、総じて見ると大きな動きはありませんでした。

 小型銘柄も手仕舞い売りが優勢で軟調となる場面が多かったのですが、今さら売り急ぐ動きもほとんど見られず東証マザーズ指数は小幅高、日経ジャスダック平均も軟調ながらも底堅い展開でした。先物にはまとまった売り買いも見られましたが方向感を持っての売り買いというよりは週末の持高調整やヘッジの売り買いが中心で方向感を持って買い上がる場面も売り叩く場面も見られませんでした。最後はヘッジ売りもあって指数を下押す要因ともなりましたが、方向感のない展開でした。

 物色対象も絞り切れず相場の方向感もない展開となりました。目先の上げ下げに右往左往しなければならない動きと3連休を控えた週末ということで持ち高を調整しなければならない向きではなく、しっかりと相場の方向感、経済の方向感を持って売り買いする向きは出番がないような感じです。為替に対する政策が円高でいいのか、円安にしたいのか、なども自国では決められないということで方向感がないものと思われ、引き続き海外市場動向や為替動向に振らされながら目先的な値動きに一喜一憂することになるのでしょうが、企業業績も思ったほど悪くないものが多く、デフレ脱却の方向が見えれば全体的に強含みとなって来るものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 上値の重い展開が続いています。RSIは方向感はないのですが、下落が続いているようでもあり、ストキャスティックスは高値圏になって下落となりそうで、いったん調整となる可能性もありそうです。「三役好転」となった後であり、底堅さも見られるものと思いますが、日柄的な調整が必要ということなのではないかと思います。

TOPIX

NYダウ

 雲の上限にしっかりと上値を押さえられてしまっています。RSIは中途半端な水準で方向感はなく、ストキャスティックスは高値圏からの調整となっています。引き続き雲に上値を押さえれて、雲の中での動きが続きそうです。

円相場

NYダウ

 下値を探る展開となっています。RSIもストキャスティックスも底値圏にあり、移動平均線や基準線からの乖離も大きくなっており、そろそろいったんは下げ止まるか、いったん下に突っ込むと反発となるものと思います。介入が入り難いので上値が重くなり、上値の重さを嫌気すると下値を試すことになるのでしょう。

銘柄ピックアップ

円高を嫌気する動きと週末の手仕舞いが中心

パナソニック(6752) 1176 △39

 大幅高となりました。昨日の引け後に5000億円を上限とする新株発行登録を取り下げたと発表、株式希薄化懸念が薄れたことが素直に好感されて買われました。

住友信(8403) 466 △1

 引き続き金融緩和を好感する動きに加え、昨日引け後に2011年3月期の連結最終利益を上方修正、2010年9月期と2011年3月期の配当をそれぞれ1円増配すると発表したことが好感されて堅調となりました。

第一三共(4568) 1747 △33

 2011年3月期の連結営業利益が従来の6%減の予想から一転して5%増となる見通しと新聞報じられたことが好感されて買われ、堅調となりました。

東エレク(8035) 4575 ▼95

 前日引け後に2010年7−9月期の半導体製造装置などの連結受注高(速報値)が4−6月期に比べ19%増、前年同期比では83%増となったと、順調な受注を発表しましたが、10−12月期jの受注にかげりがみられるのではないかとの見方から売られ、軟調となりました。

エルピーダ(6665) 938 △46

 新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行すると新聞で報じられて売られ大幅安となりました。会社側では発表を否定しましたが下げ止まりませんでしたが正式に発表されると今度は出尽くし感もあって変われ、一転、大幅高となりました。

シンプレクス(4340) 35300 ▼7000

 売り気配が続きストップ安となりました。6日に発表した2011年3月期通期の収益予想の下方修正を嫌気する動きが続いて、売りが止まらない状況です。売上高利益率が大きく低下することを嫌気して失望感を誘っています。

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